税務署や国税局などの国税組織は、1年ごとの年度をひとつの区切りとして事務が実施される。この年度を「事務年度」と呼ぶが、その期間は7月1日から翌年6月30日まで。人事異動は、新年度の開始から少し遅れて7月10日に行われる。ちなみに、内示は毎年7月3日に行われる。

国税組織の人事異動は7月10日。職員約5万6千人の3分の1が異動する。上層部ほど、現在のポジションで将来の昇進も予想できるようになっていくが、毎年あるのが想定外人事だ。早くから「次のポストは・・・」と予想されていた人ほど、まさかの異動ってことが多い。まっ、そもそも「この当たりのポジションかな」ぐらいの人は、想定されるポストに幅があるので「まさか」とまではならない。「やっぱここか」で、本人も納得人事ってことになる。

人事で興味深いのが、その年によって優遇されたと思える部門があるということ。課税部門が優遇されたと思える年があったり、徴収部門が優遇されたと思える人事があったりと、その年に悪くぶつかると、気の毒としか言いようがない。今年も国税局によってだが、職員の間では、偏り人事と思えるような配置があるかもしれない。国税職員の間では昨年、そのような想定外の偏りとも思える人事があったという。署長ポストでも、「この部門からはじめて」という予想外人事ということらしい。

ちなみに、上に上がるはずの人が、さまざまな理由でマイナス点がついたことで、「ロケット昇進」する職員もいるようだ。

どういった上司に付いているか、この上下関係も昇進に不可欠といっても過言ではない。職場内に良い人脈を構築していれば、同じような評価を受けている同僚がいても、上は親しい方を押してくれるかもしれない。これも、日頃のコミュニケーション力というわけだ。