4 移転価格税制のポイント
(1)移転価格税制は、国家の税収の確保を目的とする制度なので、日本の所得が海外に移転している場合(国外関連者から受け取る対価が独立企業間価格に満たない場合又は、国外関連者に支払う対価が独立企業間価格を超えている場合)に適用されます。逆に、海外から日本に所得が移転している場合には適用されません。
(2)移転価格税制は、国外関連者との取引を通じて、我が国の所得が海外に移転している場合に適用されますので、納税者に租税回避の意図があったか否かは本税制の適用に影響しません。
(3)移転価格税制が適用され、我が国の税務当局が課税処分を行うと、二重課税が発生します。上のケースでは、移転価格税制の適用により日本の親会社の所得が10だけ増額された場合、海外子会社ではこの10はすでに課税所得に含まれているため、この所得10は二重課税の状態にあります。この二重課税を解消するための手段としては、①国内法に基づく救済手段を利用する方法、②相互協議を利用する方法(租税条約が締結されている場合)があります。



