試験勉強を進めるうえで大切なのが「①時間の使い方」「②家族の協力」「③モチベーションの維持」。今回は「③モチベーションの維持」についてお話したいと思います。税理士試験合格までの道のりは長期戦になることが多いもの。「絶対に税理士にならなければいけない」という状況でもなかった専業主婦の私が、何年間も挑戦し続けられたのはなぜか、お話したいと思います。
以前書いた通り>>連載第1回 税理士を目指し始めたころは2~3年で5科目合格するつもりでいましたが、2~3年で合格する人は稀で、何年もかかる人が大半です。私自身は3科目合格と大学院卒業(途中並行)までに6年半かかりました。
「専業主婦から税理士になった」と話すと、まわりから「どうやってモチベーションを維持していたの?」と聞かれます。
もちろん私だって、ずーっと楽しい気持ちのまま、一度も心折れることなく過ごしていたわけではありません(そういう人はほぼ皆無だと思います)が、基本的には楽しく勉強していました。
それはなぜか。
根がまじめな性格なので、始めた以上続けるしかなかったとも言えますが、私の一番の原動力は「税理士になってからの生活を想像すること」でした。具体的には、「税理士になって仕事をしている自分」を想像するのではなく、「税理士として働きながら憧れの生活を送っている自分」をイメージしていました。専業主婦から脱皮するためには、そう簡単に取れないインパクトのある資格を取得したいと思ったのです。
模試で思うような点が取れなかったときや本試験で不合格だったときなどは、「この試験勉強をやめたらラクになるな」と考えたことがあります。でも「やめたらこのまま専業主婦だ」と思うと、やっぱり続けようと思いました。続けている限り、税理士として働きながらやってみたかったことにチャレンジしたり、自分がなりたかった姿に近づけるかもしれない。実際になれるか分からないのに「われながら前向きだなぁ」と思うのですが、目指すことをやめてしまったら、そこで可能性がゼロになってしまう。それよりは大変でも勉強を続ける方が何倍も楽しいと思えました。
この1時間、この1題。その先には、税理士になっておしゃれなネイルをして好きな服装に身を包んでバリバリ仕事をしている自分、休日には自分で稼いだお金で家族旅行をしている自分、がいるのです。要するにミーハーな動機です(笑)。世のため人のためではなく、自分自身の下世話な動機ですね(※もちろん、今は、自分のためだけではなく、お客様のことを考えて仕事をしていますよ。)
あなたは、なぜ税理士を目指したのですか?
仕事との両立、家事育児との両立、専念ならおそらく複数科目…、どれも大変です。いつ合格するのか不安になったり。何もそんな大変な思いをしなくても今のままでもいいと思えば、それはそれで幸せなのかもしれません。
でもあえて目指したのならそこには強い理由があるはずです。独立したいから?手に職をつけたいから?いい車に乗りたいから?…理由はさまざまだと思いますが、いずれにせよ自分で目指したのだから、きっと勉強が好きな方なのでしょう。好きな勉強を続けて将来の可能性がぐーんと広がるなんて、本当に贅沢なことだと思います。
とはいえ、想いと行動は必ずしもイコールにならないもの。そんな「想い」だけでは、日々の「行動」に移すのは難しいときもあります。
私が日々行動していくために具体的にしていたことは、
・手帳に計画を書き二重線で消していく(ちなみに押切もえちゃんやエビちゃんの写真を貼って、「こんな風になりたいなぁ」と眺めていました←無謀)
・お気に入りのボールペン、付箋を使う
・できるだけ自習室かカフェに行く
です。
まず、『手帳に計画を書き二重線で消していく』については>>連載第4回 にも書いた通りですが、私は、頭で計画を立てるだけではダメで、手帳に書くとやる気になるタイプ。自分で立てた計画を達成し、二重線で消すのが快感でした。勉強時間も記入していました。今は、便利なアプリやSNSもあるので、それらを活用してみてもいいと思います。
『お気に入りのボールペンや付箋を使う』こともテンションを上げるためには効果的でした。こだわりの道具に囲まれると自然とやる気も出ます。私は、ごく普通の電卓も自分仕様に派手にデコっていましたし、ウェブ講義を聞くときに使っていたパソコンはピンク色でした。
最後に、『できるだけ自習室やカフェに行く』について。普段は、子どもが寝ている時間に家で勉強していましたが、休日は夫に頼んで自習室や近所のカフェに行き勉強していました。私の場合、家にいるとつい他のことをしてしまうこと、そして何より「頼んでまで外出しているのだから頑張らなくちゃ」と思うと集中できたのでした。
「初心の想いを忘れないこと」と、「日々の行動に移すための工夫」で、モチベーションを維持する。これは今でも心がけていることです。