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新年にかさむ接待交際費 税金優遇は2年延長

新年を迎え、賀詞交換会、新年会に大忙しの人も多いはず。経営者ともなれば、年末年始は、交際費がかなりかさむ。交際費に関しては、この数年、税金の優遇措置が拡大され、平成28年度税制改正では2年延長されることが盛り込まれた。税金のプロフェッショナルのはずの会計人ですら、税務調査で交際費けりに問題ありと指摘されるなんてことも珍しくない。あらためて、交際費課税について考えたい。

平成28年度改正で2年延長

1月4日、通常国会が召集され、2月上旬には、軽減税率など盛り込んだ平成28年度税制改正関連法案が成立する予定だ。今回の税制改正には、交際費課税の2年延長も盛り込まれ、経営者もホッとしているだろう。特に改正点もないが、拡充された交際費課税については、税務署も入念にチェックしているため、適当に処理していたら、まず税務調査で何らか指摘される。
そもそも交際費は、会社経費なのだから、損金処理しても良いはずだが、租税特別措法61 条の4 第1 項を設け、法人が支出する交際費等については全額損金不算入とした。その交際費の範囲は、措法61 条の4 第3 項で「交際費、接待費、機密費、その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用」と定めている。
その全額損金不算入をベースに、中小企業向けの特例や、いわゆる5千円基準などを上乗せして交際費課税は出来ている。何とも面白い制度だ。
交際費課税で注意が必要なのが、原則、全額不損金なのだから、特例適用には事業と関係がなければならないこと。基本的なことなのだが、ここが一番のポイントになる。経理の現場では、事業との関係が希薄な交際費も少なくなく、損金算入することを無制限で認めることはできない。そこで、接待、供応、慰安、贈答、その他これらに類する行為のために支出するものであることに加え、支出に係る行為の相手方を得意先、仕入先等の、直接取引関係のある者などに限定した。

業種別支出のトップは建設業

こうした前提を踏まえ、交際費について損金処理できるか、実は考えていく必要がある。平成28年度税制改正では、これまでの特例が2年延長される予定で、中小企業は最大800万円まで交際費を損金算入できる。平成26年度税制改正では、資本金1億円以上の大企業も、交際費の50%まで損金算入できる特例ができたが、それも今回延長される。中小企業においては、800万円基準か、この大企業向け50%基準のどちらかの選択となり、有利な方を使い分けして良い。
とはいうものの、交際費だけで年間1600万円以上使う中小企業はかなり限られよう。多くが、800万円基準で処理することになるだろう。
ちなみに、平成25事務年度(平成25年7月~同26年6月まで)の交際費について見てみると、資本金1千万円以下の中小企業は1社あたり年間平均71万円程度、資本金5千万円から1億円の会社で平均約180万円となっている。一方で、資本金10億円超の大企業は、約7727万円にのぼり、連結法人は1億5千万円超と、金額的には中小企業と比べ物にならない。ただ、これを営業収入10万円当たりの交際費で見てみると、資本金1千万円以下は518円と高く、資本金10億円の企業は98円と低い。中小企業は、営業収入のわりに高い交際費を支出しているわけだ。
業種別に見てみると、個人的には接待営業のイメージの強い建設業がイメージ通り 511円とトップ。次いで不動産業が468円、サービス業が387円と高い。一方で最も低いのは鉱業で115円、次いで金融保険業146円、機械工業154円となっている。

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