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【コラム】超富裕層 世界1位はビル・ゲイツ氏 日本1位はユニクロの柳井氏

世界の富裕層番付がさきごろ、米経済誌フォーブスから発表された。
2016年版のトップ3は、1位が米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏。保有資産は750億ドルで、日本円にすると約8兆5千億円。ゲイツ氏の世界1位は3年連続となる。2位が、インディテックス(Zaraなど)創業者のアマンシオ・オルテガ氏(スペイン)で670億ドル、3位がバークシャー・ハサウェイの会長兼CEOのウォーレン・バフェット氏で608億ドルとなっている。

日本人トップ3は、1位が2015年に続き「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長で146億ドル(世界では57位)。日本人2位が、ソフトバンクグループの孫正義会長(58)で117億ドル(同82位)、3位が楽天の三木谷浩史会長兼社長(51)で資産56億ドル(同228位)だった。
保有資産が10億ドル(約1140億円)を超える富豪「ビリオネア」は1810人、最多国は米国の540人だ。総資産は、2015年より8%減の合計6兆4800億ドル(約738兆円)となっている。

さて、日本人のお三方だが、柳井氏は日本円にすると約1兆6千億円。孫氏は1兆3千億円、三木谷氏が約6300億円の資産ということになるが、これだけの金額になると、相続税対策だけでも大変だ。
株式だけ見ても(2016年3月3日終値)柳井氏は、ファーストリテイリング株を2298万7千株保有しており、7937億5千万円になる。孫氏にいたってはソフトバンク株を2億2800万5千株保有していることから約1兆3359億円、三木谷氏も1億7637万2千株保有しているため、約2058億2600万円にもなる。

現実的には株式を売却するかどうか別にして、相続が発生すれば55%の税率が掛かる。株式だけでも孫氏は7347億540万円、柳井氏は4365億2290万円、三木谷氏は、1131億6470万円が納税額となる。

相続税対策しないと数千億規模の課税に

柳井氏、孫氏の家族構成はともに妻と子供2人。仮に法定相続分通りに相続が行われれば、取り分は妻が2分の1、子供がそれぞれ4分の1ずつ。55%の相続税がかかったとして、妻に関しては、配偶者の控除枠があるため相続税はゼロ。一方で、子どもには多額な相続税がかかってくる。
単純に総資産を妻と子どもで分配したとして、相続税対策をしていなかったら柳井氏の2人の息子なら一人当たり約2200億円、孫氏の2人の娘なら約1800億円もの相続税を納めなくてはならない。三木谷氏の場合は、子どもは一人ということなので、約1700億円になる。
相続税は原則的に他の税金と同じく、現金での一括納付となるが、いくら日本トップ2の大富豪の家族といえども、こんな途方もない金額を即金で納めるのは極めて困難だ。そのため、現実的には専門家のアドバイスで相続税対策を行っているものと想像される。納税資金の準備として、法人の役員に就任し、多額の報酬を受け取るのもひとつの手だが、大方、ここまでの富豪になると、財団を設立するなど、社会貢献活動なども考慮した対策を取るケースが多い。

さて、少し古い資料になるがイギリスの「ナイト・フランク」という不動産コンサルタント会社が2015年3月に富裕層情報を掲載している「ウェルス・レポート」を発表しているが、30億円以上の資産を持っている「マルチミリオネア」は世界で17万2850人と報告している。世界の人口が約72億6千万として、約0.002%だ。この数字をどう見るかは人によって違うが、この超富裕層が世界のどの地域・都市に多いのかについては、上位10都市は以下のようになっている。

第1位 ロンドン……4,364人
第2位 東京……3,575人
第3位 シンガポール……3,227人
第4位 ニューヨーク……3,008人
第5位 香港……2,690人
第6位 フランクフルト……1,909人
第7位 パリ……1,521人
第8位 大阪……1,471人
第9位 北京……1,408人
第10位 チューリッヒ……1,362人

ちなみに、このレポートでは、今後10年で超富裕層の人口は34%増加すると予想。世界的に貧富の格差は一段と進むものと見られている。貧富の差が進むと、治安が悪くなるといわれるが、この点も注目して見ていきたい。

著者: 宮口貴志

KaikeiZine編集長

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。現在は租税研究会の事務局長であり、会計事務所ウオッチャーとしても活動。
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