総資産11兆円まで事業を増やした「隣の青い芝生」
ここで、まさに隣地を攻めながら拡大したオリックスの事業戦略について触れておきます。企業向けの機械設備リースに始まり、自動車・船舶・航空機のリース、生命保険、銀行、不動産開発、温泉旅館やゴルフ場・介護施設の運営…事業領域は今やリースを超え大きく広がり、連結で総資産は11兆円にもなっています。
着目すべきはその拡大戦略です。「新たな事業に乗り出す際には、既存事業に隣接する領域に少しずつ進出する」という方法を採ってきました。機械設備のリースを手がけるうちに、社用車のニーズが増え、すると車検や自動車保険の要望も出てきたためそれらを加えたメンテナンスリースを開始。さらに、自動車リースを数多く扱ううちに出張先での短期レンタカー需要を知り、米企業とのライセンス契約でレンタカー事業を始めました。
隣地を攻める戦略でリースから金融分野、事業サービス分野にまで幅を広げてきたこの多様な事業ポートフォリオは、危機への対応としても役立つこととなります。リーマンショックで世界の資本市場が機能不全に陥った際も、「資金調達で苦戦を強いられ不況の大波に翻弄されたものの沈没することがなかったのは事業ポートフォリオのバランスがとれていたから」と当時の取締役 兼 代表執行役会長・グループCEO 宮内義彦さんは述べています。
まさに「隣の芝生は青い」ですね。
さて、多角化については経営学のアプローチでまだまだお話ししたいことがありますが、誌面が尽きてしまいました。次回のコラムでは、古典的な多角化戦略を深掘りしたいと思います。
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