監査法人の役割を正しく理解し、助言を正しく理解する

監査法人の助言は会社にとってベストな助言とは限りません。監査法人の業務は「財務報告の信頼性を担保する統制が整備されているか」を確認することにあり、「業務が効率的に実施されているか」は業務範囲ではないからです。一方、会社のミッションは利益の最大化です。業務が効率的に行われる仕組み、体制を構築しなければなりません。

監査法人の助言は適正な財務報告を実施するために整備すべき統制として極めて有用ですが、業務の効率化をミッションとした助言ではないため、会社にとってベストな統制かどうかは自ら考えなくてはなりません。監査法人の助言を踏まえ、より効率的な統制により、監査法人が懸念するリスクの発生を未然に防ぐ統制が整備されれば、その方法を採用すべきとなります。

監査法人が考える「適正な財務報告が確保されない懸念点」を正しく理解し、対応策については監査法人案(統制の改善、追加等)を候補案として検討しつつ、「より効率的な業務フローはないか」、「リスクの発生を未然に防ぐ、より効率的な統制を整備することはできないか」を検討することが必要となります。

監査法人との関係構築に必要なこととは何か

監査法人との関係構築において大切なことは、「監査法人が期待していることに早く対応する」です。監査法人が期待していることは「監査法人が重要と考える論点」の早期解消です。重要な論点が進捗しない状況が続くと監査法人側も不安を感じます。監査法人は、「指摘すること」を業務にしているわけではなく、「重要な指摘がない状況を確認したい」と考えています。重要な論点が解消しないまま期限を迎えた場合には、「指摘をしなければならない」となります。監査法人の指摘は会社へ重要な影響を与えるため、監査法人自身も誤認識がないか、これまでの手続きが十分であったかを含め、再度検証を行います。

結果、重要論点の未解決は両者にとって良好な状態とは言えず、関係構築の観点からもプラスになることは期待できません。

まとめ

「監査法人対応」はJ-SOX担当者にとって、精神的に最もプレッシャーのかかる業務です。監査法人への対応が適切に行われなかった場合、重要な全社問題に発展する可能性もあるからです。一方、監査法人と関係構築が良好である場合、J-SOX担当者の心理的な負担感はかなり軽減されます。監査法人との円滑なコミュニケーションを通じて、実施すべきタスクの優先順序がより明確に把握できるからです。

監査法人と、円滑なコミュニケーションがとれる体制を構築することで、監査法人が重要と考える論点の的確な把握、優先順位が明確になることから、精神的な負担感が軽減されると思います。


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