■審査項目

補助金採択の審査において、次のような審査項目や加点項目が提示されています。公募要領からそれらの要点を次のようにまとめています。事業計画書において、これらの審査項目を踏まえて作成する必要があります。また、加点項目は要件を満たすのであれば、採択に向けて可能な限り獲得したいところです。

(1)補助対象事業としての適格性

補助対象事業の要件を満たすか。補助事業終了後3~5年計画で「付加価値額」年率平均3.0%以上の増加等を達成する取組みであるか。

→これらは満たしてなければ審査対象とならないような必要条件と言えるでしょう。

(2)事業化点

① 事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。

②事業化に向けて、競合他社の動向を把握し、市場ニーズを考慮しているか。ユーザーやマーケット、市場規模が明確になっているか。

③補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有しているか。事業化に至るまでの遂行方法やスケジュールが妥当か。補助事業の課題が明確になっており、その課題の解決方法が明確かつ妥当か。

④補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して増額が想定される付加価値額など)が高いか。その際、現在の自社の人材、技術・ノウハウ等の強みを活用しているか。

→これらの中では、特に③の優位性や収益性を明確に示すことができるかどうかがポイントと考えられます。

(3)再構築点

① 事業再構築指針に沿った取組みであるか。また、全く異なる業種への転換など、リスクの高い、思い切った大胆な事業の再構築を行うものか。

② 既存事業における売上の減少が著しいなど、新型コロナウイルスの影響で深刻な被害が生じており、事業再構築を行う必要性や緊要性が高いか。

③ 市場ニーズや自社の強みを踏まえ、「選択と集中」を戦略的に組み合わせ、リソースの最適化を図る取組であるか。

④ 先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域のイノベーションに貢献する事業か。

→より思い切った事業の転換を行う計画、新しい技術を活用するようなチャレンジングな計画を評価する傾向が読み取れます。

(4)政策点

① 先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、経済社会にとって特に重要な技術の活用等を通じて、我が国の経済成長を牽引し得るか。

② 新型コロナウイルスが事業環境に与える影響を乗り越えてⅤ字回復を達成するために有効な投資内容となっているか。

③ ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。

④ 地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の雇用創出や経済成長を牽引する事業となることが期待できるか。

→これらは自社の置かれた状況や業界などによって該当するかどうか異なってくると思われますが、多少なりとも関わる内容があれば訴求したい項目となります。

(5)加点項目

① 令和3年の緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等により影響を受けたことにより、2021年1月~3月のいずれかの月の売上高が対前年(または対前々年)同月比で 30%以上減少していること。

→加点を得るには、これを証明する書類の提出が必要となります。(確定申告書や売上台帳など)