2.争点

本件賞与は、法人税法第34条第1項括弧書きに規定する使用人兼務役員に対して支給する使用人職務分に該当するか否か。

3.請求人の主張

次のとおり、本件取締役は、本件各事業年度の全ての期間において、使用人兼務役員に該当し、かつ、本件賞与は使用人職務分に該当する。

(1) 使用人兼務役員該当性について

①「常時使用人としての職務に従事」について

本件取締役は、本件各事業年度の全期間において、請求人の営業部長としての職務を与えられていたのであり、これは、専ら、Eが主導して策定した経営計画のうち営業計画を、自ら担当者として、あるいは管理者として、具体的な業務を遂行するものであり、Eの指揮命令系統に属するものである。

②「使用人としての職制上の地位」について

本件取締役は、請求人の取締役就任以前から有していた請求人の「営業部長」の肩書を、取締役就任後も維持しており、少なくとも常務に就任するまで、「部長」の肩書を有していた。

③「常務その他これらに準ずる職制上の地位」について

請求人は、本件取締役の常務取締役就任につき、株主総会、取締役会その他の法令又は定款に定める機関による意思決定を行っていないから、「常務その他これらに準ずる職制上の地位」を有する役員には該当しない。

(2) 本件賞与の使用人職務分該当性について

請求人が、本件取締役に支給した月給及び本件賞与は、そもそも、その全額が使用人としての職務に対応するものであり、飽くまでも使用人の年棒としての支給額を「月給」と「本件賞与」に分割して支給したにすぎず、したがって、本件賞与は、使用人職務分に該当する。