◇不服申立てがあった場合の換価の制限

国税庁の換価事務提要(事務運営指針)第10章では、国税に関する法律の規定に基づく処分について、税務署長又は国税不服審判所長に対して不服申立てがあった場合等における換価事務の処理手続について定めています。

①換価の制限

不服申立てに係る国税の徴収のため差し押さえた財産の換価は、その財産の価額が著しく減少するおそれがあるとき又は不服申立人から別段の申出があるときを除いて、その不服申立てについての決定、裁決又は取下げがあるまでは、することができないこととなっています(国税通則法第105条第1項ただし書)。

②滞納処分の続行の停止等

税務署長は、不服申立てをした者の申立てにより、又は職権で、不服申立ての目的となった処分に係る国税の全部若しくは一部の徴収を猶予し、若しくは滞納処分の続行を停止したときは、その後の換価手続は進めることができません(国税通則法第105条第2項参照)。

また、税務署長は、国税不服審判所長から徴収の猶予若しくは滞納処分の続行の停止を求められ、又は差押えをしないこと若しくはその差押えの解除を求められ、審査請求の目的となった処分に係る国税の全部若しくは一部の徴収を猶予し若しくは滞納処分の続行を停止し、又はその差押えをせず、若しくはその差押えを解除したときは、その後の換価処分は進めることはできません(国税通則法第105条第6項)。

③差押えの解除

不服申立てをした者が、担保を提供して、不服申立ての目的となった処分に係る国税について、滞納処分による差押えの解除の請求をした場合に、税務署長が相当と認めるときは、その差押えの解除をすることができます(国税通則法第105条第3項)。

④換価の留保

税務署長から再調査の請求に対する決定があった場合に、その決定が却下、棄却、一部取消し又は事実行為の一部の撤廃であるときには、当該決定を不服として国税不服審判所長に対する審査請求書の提出期限(再調査決定書の謄本の送達から1か月以内)までは、換価は行わないこととされています。

≪参考≫換価事務提要第10章 不服申立てがあった場合等の処理(国税庁HP)

◇再調査の請求書等についての発信主義の適用除外に注意

郵便又は信書便(「郵送等」といいます。以下、同じ。)により再調査の請求書又は審査請求書を提出した場合には、その郵便物等の通信日付印により表示された日(その表示がないとき、又はその表示が明瞭でないときは、その郵便物等について通常要する送付日数を基準とした場合にその日に相当するものと認められる日)にその提出があったものとみなされます(発信主義)。

しかしながら、不動産等についての公売公告から売却決定までの処分及び換価代金等の配当に係る再調査の請求書又は審査請求書を、郵送等により提出した場合には、その再調査の請求書又は審査請求書は、不服申立て先に実際に到達した日にその提出がされたこととなります(到達主義)ので注意が必要です(国税徴収法第171条第3項)。