◇不服申立ての前置

通常、行政庁の処分について不服がある場合には、審査請求をせずとも、いきなり取消訴訟を提起できることを原則としています(行政事件訴訟法第8条第1項)。これを自由選択主義と言います。

ただし、個別の法律で審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消の訴えを提起することができないと定められている場合には、審査請求を経ないでいきなり取消訴訟を提起することはできません(行政事件訴訟法第8条第1項ただし書き)。これを不服申立前置主義と言います。

国税についての処分の取消しを求める訴えの提起は、審査請求についての裁決を経た後でなければできないとされています(国税通則法第115条第1項、行政事件訴訟法第14条第1項)。

この不服申立ての前置を要することとした趣旨は、次のとおりです。

①税法に基づく処分は、毎年、大量に反復して周期的に行われ、また、課税処分などの争いは大部分が事実の認定に関するものであるため、税務職員の知識と経験を生かして、原処分庁(その処分を行った税務署長等)がもう一度原処分の見直しを行うことにより、裁判所の負担を軽くすること

②税法が多分に複雑で専門的なため、不服審査の段階で争点を整理することは、行政の統一的な運用に役立ち、また、訴訟に移行した場合に裁判所の審理が容易になること

③不服申立ては、訴訟と異なり、費用や手間が少なく簡易に権利利益の救済を図ることができること

※平成26年6月の国税通則法改正により、平成28年4月1日以後に行われる処分に係る不服申立ては、原処分庁に対する再調査の請求か国税不服審判所長に対する審査請求の選択制となりました。

それ以前は、原則として、原処分庁に対する異議申立てを経なければ審査請求を行うことはできませんでした。

◇まとめ

税金は納期限までに完納することが一番ですが、諸般の事情から滞納となってしまう場合があります。

差押え等の滞納処分を受けた場合でも、手続きの瑕疵によってはその処分を取り消すことは可能ですので、諦めずに税理士等に相談してみましょう。


個別転職相談(無料)のご予約はこちらから

最新記事はKaikeiZine公式SNSで随時お知らせします。

 

◆KaikeiZineメルマガのご購読(無料)はこちらから!
おすすめ記事やセミナー情報などお届けします

メルマガを購読する


【関連記事】

気を付けたい、税務署への申告・書類提出

コロナ禍だから延滞税を軽減させる裏技「よのう」

滞納回避 許可された猶予を取り消されないノウハウ

滞納回避 税金の「猶予制度」を深掘り

滞納回避 「納税猶予」「換価の猶予」の申請ポイント