「税務行政のデジタル・トランスフォーメーション- 税務行政の将来像2.0 -」の二本柱である、納税者の利便性の向上と課税・徴収の効率化・高度化は、まさにデジタルを活用しなければ成しえないものです。税務調査のやり方も、事務所などに臨場して行う実地調査の外にリモート調査という手法が既に実施され、今後も拡大していきます。税の現場においては、税務行政がどのように変わろうとしているのか認識しつつ、将来に向けてどのような体制、考え方で進めていくべきか考えておく必要があります。
【課税・徴収の効率化・高度化の税務当局のねらい】
課税・徴収の効率化・高度化の狙いですが、なんといっても情報収集の拡大が効率的な調査のためには重要となります。的確な情報収集があればこそ、調査事務量を適切に投下できることになります。次に重要なのが情報分析の高度化です。いくら大量の情報があってもその情報をマッチングさせて、調査選定の高度化などに役立てなければなりません。AIなども活用してより精度の高い情報分析が求められます。そして複雑困難事案へ対応するため、必要なところに集中的に調査事務量を投下していくことが、適正公平な課税の確保になり、納税者の税務行政に対する信頼確保に役立つことになります。