12月10日に公表された令和4年度税制改正大綱、前回は住宅ローン控除と住宅取得等資金の贈与税についてお伝えしました。2回目は、電子帳簿保存法とインボイス制度の改正を解説します。

■事業主を悩ませる「電子帳簿保存法」と「インボイス」

今、中小企業や個人事業主の頭痛の種となっている2大税制といえば、電子帳簿保存法とインボイス制度でしょう。いくつか問題をはらんでいるからです。

  • ●電子帳簿保存法:電子データ保存が大変

電子帳簿保存法とは、帳簿や証憑書類を紙の代わりに電子データで保管する方法を定めた法律です。紙での保存が原則ですが、この法律にのっとれば、電子データでの保存も認められます。ただ、事前に税務署の承認を得なくてはならず、ハードルが高いのが問題でした。

しかし令和3年度税制改正で緩和されました。事前承認がいらなくなったのです。

その一方、義務も生じました。「電子データ保存」です。

「メールでもらった請求書やサイトからダウンロードした明細は、すべてデータのまま保存すべし」となりました。紙の保存は認められません。データ保存ができていないと、青色申告の承認が取り消されるおそれがあります。

また、単にとっておくだけでは足りません。「可視性」「真実性」を担保しなくてはならないのです。特に可視性の条件が細かく、中小事業主にはネックとなっています。

【参考】

来年1月からの電子帳簿保存法、結局何したらいい?中小事業主が知っておくべき6つのポイント

来年1月からの新・電子帳簿保存法…紙の保存はアウト?個人事業主が押さえるべきポイントを解説