■成年年齢引き下げで変わる税金3:贈与税
贈与税は相続税以上に、成年年齢引き下げの影響を受けます。
●暦年課税制度の特例贈与
暦年課税制度には2つの税率があります。1つは親や祖父母から子や孫への贈与(特例贈与)に使う税率、もう1つはそれ以外の間柄での贈与(一般贈与)に使う税率です。特例贈与は一般贈与よりも贈与税が抑えられています。
【参考】相続対策を考える前に…知っておきたい「贈与税」のキホン(前編)2ページ目
特例贈与の税率の条件は、「親や祖父母から子や孫へ贈与する」だけではありません。受贈者である子や孫の年齢に「20歳以上」という条件が付されています。これが4月1日以降、「18歳以上」になります。
- ●贈与税の非課税措置
贈与税には、親や祖父母が子や孫にまとまった資金を贈与しても一定額まで非課税になる制度があります。その内、次の2つは受贈者の年齢に「20歳以上」という条件を設けています。
- ・住宅取得等資金の贈与税の非課税措置
- ・結婚・子育て資金の贈与税の非課税措置
この年齢条件が、4月1日から「18歳以上」になります。ただし「18歳以上」をカウントするタイミングが異なるので注意が必要です。
- ●相続時精算課税制度
相続時精算課税制度は、親や祖父母から子や孫に贈与したときにのみ使える制度です。こちらも受贈者である子や孫の年齢は「20歳以上」でなくてはなりません。この条件が4月1日以降、「18歳以上」になります。
なお、この制度は贈与者である親や祖父母にも「贈与した年の1月1日時点で60歳以上」という条件がついています。活用の際、贈与者と受贈者両方の年齢に注意しなくてはなりません。
【参考】相続対策を考える前に…知っておきたい「贈与税」のキホン(前編)3ページ目
- ●事業承継税制
事業承継税制は、後継者が非上場株式(法人)や事業用資産(個人)を先代経営者から受贈あるいは相続し、経営承継円滑化法の認定を都道府県知事から受けると、贈与税や相続税の納税が猶予あるいは免除される制度です。
贈与税の猶予または免除での条件の一つが「受贈者が20歳以上」です。この年齢条件が4月1日以降、「18歳以上」となります。