ニューヨーク州LLC事件
その後、米国ニューヨーク州のLLCが、我が国の租税法上の法人に該当し、また当該LLCからの分配金は配当所得であると判断した裁判例が出されました(さいたま地判平成19年5月16日、東京高判平成19年10月10日)。
この事件は、個人Xが、米国ニューヨーク州法に基づき組成されたLLCの行なった不動産賃貸業に係る収支及びLLC名義の預金利息収入をXの不動産所得及び雑所得として所得税の確定申告をしたところ、国税当局は、当該LLCが行う不動産賃貸業によって生じた損益は、法人としてのLLCに帰属し、またXが受け取った分配金はXの配当所得に該当するとして課税処分を行なった事案です。
Xはこの処分を不服として取消しを求めました。
この事件の判決では、「本件LLCは、米国のニューヨーク州法に準拠して設立され、その事業の本拠を同州に置いているのであるから、本件LLCが法人格を有するか否かについては、米国ニューヨーク州法の内容と本件LLCの実質に基づき判断するのが相当である。」としました。
その上で、「本件LLCは、ニューヨーク州のLLC法上、法人格を有する団体として規定されており、自然人とは異なる人格を認められた上で、実際、自己の名において契約をするなど、パートナーからは独立した法的実在として存在しているから、本件LLCは、米国ニューヨーク州法上法人格を有する団体であり、我が国の私法上(租税法上)の法人に該当すると解するのが相当である」と判断しました。
総括
外国事業体が、我が国の税法上、法人に該当するか否かについては争いも多く、実務上は重要な問題です。
例えば外国子会社益金不算入制度における外国子会社やタックスヘイブン対策税制における外国関係会社なども、外国法人であることを前提としています。
したがって、外国事業体を利用した投資活動を行なう際には、この法人該当性について慎重に検討する必要があると思われます。
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