ふるさと納税の入力・計算をラクにすませる2つの方法
便利なe-Taxですが、それでも課題がありました。
「計算や集計に手間がかかる」という点です。
パソコンからにしてもスマホからにしても、受領証明書を見ながら一つひとつ入力しなくてはなりませんでした。
しかし今、2つの方法を使えば、かなりラクできます。
1つは「ポータルサイトからの証明書を使う」、もう1つは「地方自治体からのデータを使う」です。
ラクする方法1:ポータルサイトからの証明書を使う
「あちこちの自治体にふるさと納税をしていても、使うポータルサイトは1つ」という人は比較的多いのではないでしょうか。
ポータルサイトならではの返礼品や利便性があるからです。
特に、決まったポータルサイトからふるさと納税をする人は、ポータルサイトが発行する証明書を使えば、かなりラクできます。
ちなみに、ポータルサイトからもらう証明書は「寄附金控除に関する証明書」と言います。
地方自治体の寄附金受領証明書と名前が似ていますが、こんなふうに違います。
なお、データや紙を添付して提出すれば、書かれている分の受領証の5年間保存は不要になります。
対応しているのは一部のポータルサイト
ただ、すべてのポータルサイトで対応しているわけではありません。
2023年2月現在、ふるさと納税ができるサイトは16ありますが、そのうちデジタル証明書(XML形式)を発行しているのは次のポータルサイトだけです。
ポータルサイト名 | 証明書発行者 | 連携手続開始予定 | 民間送達 サービス |
ANAのふるさと納税 | 全日本空輸株式会社 | 対応済み | e-私書箱 |
さとふる | 株式会社さとふる | 対応済み | e-私書箱 |
ふるさとチョイス | 株式会社トラストバンク | 対応済み | e-私書箱 |
ふるなび | 株式会社アイモバイル | 対応済み | e-私書箱 |
楽天ふるさと納税 | 楽天グループ株式会社 | 対応済み | e-私書箱 |
三越伊勢丹ふるさと納税 | 株式会社三越伊勢丹 | 対応済み | ふるさと納税 e-Tax 連携サービス |
JALふるさと納税 | 株式会社JALUX | 対応済み | ふるさと納税 e-Tax 連携サービス |
【引用元】マイナポータル連携可能な控除証明書等発行主体一覧(国税庁)
電子申告以外に紙での申告ができることも
ふるさと納税のポータルサイトからの証明書は基本「電子データ(XMLファイル)」です。
ただ、一部のポータルサイトは紙の証明書も出しています。
紙対応しているかどうかは、各サイトで確認したほうがいいでしょう。
ラクする方法2:ふるさと納税先からの電子データを使う
ふるさと納税の申告には、寄附先の自治体からの「寄附金受領証明書」が欠かせません。
多くは紙ですが、最近はデジタル証明書を発行するところも出てきています。
2023年2月22日現在、デジタル証明書を発行しているのは794の自治体です。
【参考】ふるさと納税e-Tax連携サービス 対応自治体一覧(Shift-seven consulting)
地方自治体発行のデジタル証明書とマイナポータルを連携させれば、自動的に計算・入力が行われます。
手計算や手入力の必要がありません。
また、e-Taxだと通常、紙の寄附金受領証を手元で5年間保管しなくてはなりませんが、その保管も不要となります。
注意点
ふるさと納税の寄附の証明書がデジタル化し、かなりラクにはなりました。
ですが、注意点もあります。
マイナポータルが必須
自動集計・入力はマイナポータルを使うことが前提です。
e-Taxでもマイナポータルと連携していなければ、データからの自動集計・自動入力はできません。
事前準備を
マイナポータル連携は、e-私書箱という民間サービスを使って行います。
「マイナポータル⇔e-私書箱」「e-私書箱⇔ふるさと納税ポータルサイト」と、それぞれ連携させる必要があるわけです。
この手続きはすぐに終わるものではありません。
「マイナポータルの利用登録」「e-私書箱のアカウント登録」など、いくつかステップがあります。
すべて終わるのに数日かかるかもしれません。
特に3月15日間際は、アクセス集中でシステムダウンする可能性があります。
早めに準備をしておくと安心です。
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