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消費税率10%への引上げは平成31年10月から 措置法などもスライドでスタート

消費税率10%への引き上げを、平成29年4月から同31年10月に延期する税制改正関連法が11月18日の参院本会議で自民、公明党などの賛成多数により可決、成立した。そこで、消費税率の延期に伴う措置等について見直してみる。

臨時国会開会中の11月18日の参議院本会議で、消費税増税延期とそれに関連する税制措置を見直す、「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律等の一部を改正する法律案」と「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案」が賛成多数で可決、成立した。安倍晋三首相の6月に開いた記者会見で、消費税率引上げがすでに延期済みと勘違いしていた一部実務家もいたようだが、これで正式に消費税率10%への引き上げが平成31年10月1日からと決まった。そこで、改めて消費税率の延期決定までの経緯と延期に伴う措置の見直しについておさらいする。

消費税率10%への引上げ経緯

消費税率5%からの引上げを決めたのは、民主党の野田佳彦政権時代(2011年9月2日から2012年1月13日)。社会保障の安定財源の確保と財政健全化を同時に達成するため、平成24年3月30日に他の「社会保障と税の一体改革関連法」とともに国会に提出された。そして、民主・自民・公明の3党合意による修正が施され、消費税率を平成26年4月1日から8%、その1年半後の27年10月1日から10%へ引き上げること、消費税の使途を年金、医療、介護、少子化対策に限定する社会保障目的税化することで8月10日に成立(同月22日公布)した。また、消費税法の附則第18条に、税率の引上げについては経済状況等を総合的に勘案して行うとする「景気判断条項」が盛り込まれた。
その後、政権が民主党から自民党に移り、予定通り平成26年4月から消費税率が8%に引き上げられたものの、同年11月、引上げに伴う駆け込み需要の反動の影響等による、景気低迷の長期化の中、安倍首相は10%引上げを1年半延長する判断を下し、同27年度税制改正において引上げ時期を平成27年10月1日から平成29年4月1日に見直すこととするとともに、附則の景気判断条項を削除することで「平成29年4月1日に確実に実施する。再び延期することはない」と発言した。
そして今年に入り、平成28年度税制改正で消費税率10%への引上げ時の低所得者の生活必需品への負担軽減の観点から、酒類及び外食を除く新食料品や、週2回発行新聞の定期購読料を対象に税率を8%に据え置く「軽減税率制度」を法制化したものの、安倍首相は6月1日に消費税率10%への引上げ(及び軽減税率制度の導入時期)を2年半延長して、平成31年10月とする再延期を表明。会見で安倍首相は、「内需を腰折れさせかねない消費税率の引上げは延期すべきである。これまでのお約束とは異なる“新しい判断”をした」と説明した。

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