見落としやすい扶養「親族」の条件
よ「扶養控除って、要は16歳以上で合計所得金額が48万円以下の家族を養っていたら受けられる…ってことだよね」
ま「アバウトに言ったらそうだけど、ホントはちゃんと条件があるのよ」
扶養親族とは、その年の12月31日(納税者が年の中途で死亡しまたは出国する場合は、その死亡または出国の時)の現況で、次の4つの要件のすべてに当てはまる人です。
(注)出国とは、納税管理人の届出をしないで国内に住所および居所を有しないこととなることをいいます。
(1)配偶者以外の親族(6親等内の血族および3親等内の姻族をいいます。)または都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること。
(2)納税者と生計を一にしていること。
(3)年間の合計所得金額が48万円以下(令和元年分以前は38万円以下)であること。
(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
(4)青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと。
【引用元】No.1180 扶養控除(国税庁)
ま「ここで注目したいのが『親族』」
よ「民法第725条の規定ね」
ま「ここに規定する親族のうち、配偶者以外が扶養控除の対象になるの。配偶者には配偶者控除や配偶者特別控除があるから扶養控除の対象には含めないの」
よ「親族の範囲ってどうなっているんだっけ…ちょっと見てみようか」

【引用元】親族の範囲について(厚生労働省)
よ「妻や夫の兄弟姉妹や甥姪や伯父伯母まで扶養控除の対象になるのか」
ま「そう。親族の範囲って広いよね」
よ「親族ではないけど、里子とかも扶養控除の対象になるんだね」
ま「所得とかの要件も満たしていれば、だけどね」
扶養控除がなくなったときの負担を試算
よ「扶養控除がなくなると、どれくらい大変になるの?児童手当が拡充されるというけど、ホントに負担は減るのかな」
ま「扶養控除は所得控除だから『制度廃止=38万円だけ損』てわけじゃないの。税額ベースに直した金額で見てみようか」
扶養控除を税額ベースにしたときの金額(扶養親族:16歳~18歳、23歳~69歳)(単位:円)
|
課税所得額
|
所得税ベース | 住民税(所得割)ベース |
所得税+
住民税 |
||
| 税率 | 税額 | 税率 | 税額 | ||
| 1000~1,949,000 | 5% | 19,000 |
10%
|
33,000
|
52,000 |
| 1,950,000~3,299,000 | 10% | 38,000 | 71,000 | ||
| 3,300,000~6,949,000 | 20% | 76,000 | 109,000 | ||
| 6,950,000~8,999,000 | 23% | 87,400 | 120,400 | ||
| 9,000,000~17,999,000 | 33% | 125,400 | 158,400 | ||
| 18,000,000~39,999,000 | 40% | 152,000 | 185,000 | ||
| 40,000,000~ | 45% | 171,000 | 204,000 | ||
※所得税は現在、この他に復興特別所得税が「基準所得税×2.1%」かかる
扶養控除を税額ベースにしたときの金額(扶養親族:19歳~22歳)(単位:円)
|
課税所得額
|
所得税ベース | 住民税(所得割)ベース |
所得税+
住民税 |
||
| 税率 | 税額 | 税率 | 税額 | ||
| 1000~1,949,000 | 5% | 31,500 |
10%
|
45,000
|
76,500 |
| 1,950,000~3,299,000 | 10% | 63,000 | 108,000 | ||
| 3,300,000~6,949,000 | 20% | 126,000 | 171,000 | ||
| 6,950,000~8,999,000 | 23% | 144,900 | 189,900 | ||
| 9,000,000~17,999,000 | 33% | 207,900 | 252,900 | ||
| 18,000,000~39,999,000 | 40% | 252,000 | 297,000 | ||
| 40,000,000~ | 45% | 283,500 | 328,500 | ||
※所得税は現在、この他に復興特別所得税が「基準所得税×2.1%」かかる
よ「所得が高いほど恩恵があるんだね」
ま「あと新しい児童手当。2025年2月支給分から、こんな金額になるかもね」
児童手当の変更案(月額、単位:円)
| 現在 | 変更後 | ||
| 3歳未満 | 15,000 | 15,000 |
※第三子以降は30,000円
|
| 3歳~小学生 | 10,000 | 10,000 | |
| 中学生 | 10,000 | 10,000 | |
| 高校生 | なし | 10,000 | |
| 所得制限 | あり ※特別給付5000円 |
なし | |
【引用元】「こども未来戦略方針」案(内閣官房)を元に筆者作成
よ「子どもが16歳から18歳なら課税所得額695万円未満の方がトクで、19歳から22歳なら課税所得額330万円未満の方がトクなのか…」
ま「15歳までだと扶養控除は一切ないから、児童手当の分だけプラスなんだろうけど…昔あった年少扶養控除を考えると『うーん』だわね」
よ「児童手当が拡充されても扶養控除がなくなるなら『稼ぐほど子育ての負担が増える』ってことでしょ」
ま「がんばらない方がトクだよね。低所得であればあるほど扶養控除の恩恵は小さくなるし」
よ「『異次元の少子化対策は子育て罰だ』って言う人もいるけど…分かる気がする」

【執筆者過去記事】
消費税の確定申告は所得税と違う?インボイス登録した個人向けに解説
▶その他関連記事はこちら
◆最新記事はKaikeiZine公式SNSで随時お知らせします。
![]()





