年金の不安あれこれ
先の見えづらい年金の不安は、尽きないものです。
書籍には「よくある疑問あれこれ」のコーナーもあり、さまざまな悩み・不安に応えてくれます。
具体例をいくつか紹介します。
払い込み期間が短いかもしれない?
老齢基礎年金の受給資格期間は最低10年。以前は25年でした。
ただし、10年では満額支給とはなりません。
ある程度は追納も可能ですので、未納期間がある方は追納するのもひとつの方法です。
実際いつからもらえる?
老齢基礎年金の受給年齢は現在、原則65歳からに引き下げられています(例外措置あり)。
また、受給年齢を引き下げることで、受給金額を増やすことができます。
特に厚生年金は受給を遅らせ、会社員としての勤務を延長した場合毎年受給金額が改定されますので、検討の価値はありそうです。
書籍ではこうした細かな改定も丁寧に拾ってくれるので、「これは知らなかった」と何度も思うでしょう。
ちなみに税理士や公認会計士といった士業は、定年なく働き続けられます。
長く働き続けることで、得られるメリットは大きいのではないでしょうか。
不測の事態が起きたらどうする?
人生には予想外の出来事が起きるものです。
良いことならばありがたいですが、時には労災が必要な怪我をしたり、事故で障害が残ったりすることもあるかもしれません。
年金では、労災保険と呼ばれる保障制度があり、また先ほど書いた、級数に応じて障害年金が受け取れる障害年金もあります。
ほかにもさまざまな制度がありますが、普段なかなか知る機会はないものですよね。
こちらの書籍ではさまざまな事態をカバーしているので、一読しておけばいざという時の手助けになってくれるはず。
我々が今すぐにできることとは?
ライター自身、年金をもらう日というのはまだ遠い先のことのように感じていますが、今すぐにできることは何かあるのでしょうか?
それについても、書籍で解説されています。
まずは知る
書籍の最後で、年金から天引きされる保険料と税金がまとめられているのですが、「65歳未満」の部分を見てみましょう。
これは会社員の方の例ですが、今自分の給料から何が引かれているか、全てちゃんと把握していますでしょうか?
確認しておけば、人生のマネープランを立てるのにも役立つはずです。
ねんきん定期便やねんきんネットをチェックする
国民年金や厚生年金保険の加入者には、毎年誕生月に「ねんきん定期便」が送られてきます。
これで、保険料の納め忘れがないかなど確認できます。
また、35歳・45歳の節目の年齢には、封書でより詳細なねんきん定期便が届きます。
届いたら、必ずチェックするようにしましょう。
また「ねんきんネット」に登録すれば、いつでもパソコンやスマートフォンから自分の年金情報をチェックすることができます。
自分年金を検討する
この先、どれほど年金がもらえるのか。
誰もが多少なりとも不安を抱えているでしょう。
書籍の「第1章 年金の基礎知識」では、iDeCoや保険などの「公的年金に付加できる制度」の紹介があり、自分自身で積み立てる制度の活用についても解説されています。
なお、併用不可の制度もあるので、その点は注意が必要とのことです。
まとめ
年金がこの先どうなるかは、誰にもわかりません。
それでも、老後への備えの基本となるだろう年金を理解しておけばプラスになります。
もし年金の支給年齢に近い親御さんがいれば、今回の『これ1冊ですっきりわかる!年金のしくみともらい方 23-24年版』を共有してみるのもおすすめです。
年金や定年後について、話し合う良いきっかけになるかもしれません。
まずは正しい情報を得る。
知識をつけていくことも、老後の備えと言えるでしょう。
『これ1冊ですっきりわかる!年金のしくみともらい方 23-24年版』
著:小林労務
(ナツメ社)
【関連記事】
学生特例で猶予された年金はどうなるか?10年過ぎたら追納できない? | KaikeiZine
【ニュース】国民年金保険料、全額免除・猶予者は引き続き高水準 | KaikeiZine
フランスから支給を受けた年金は公的年金等に該当し雑所得に区分されるとした事例【所得税法/請求棄却】元国税審判官が解説 公表裁決から学ぶ税務判断のポイント(第38回) | KaikeiZine
今月の一冊:『誰でも簡単 インボイス制度がわかる本』 | KaikeiZine