振替納税の領収証書の送付廃止

また、この1月から変わった制度として、振替納税での領収証書の送付が廃止されている。
指定した金融機関の預貯金口座から自動的に引き落とされる電気代やガス代など公共料金の自動振替と同じシステムで税金が納められる振替納税制度。国税当局でも利用を勧奨しているが、昨年までは、納税者から提出された「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」に基づき、納税者の銀行等の金融機関の預貯金口座から国税の口座振替が行われると、金融機関が領収証書の書式が印刷され日本銀行代理店の領収印が押印された用紙に被覆用シールを貼付し郵便ハガキのかたちで納税者に郵送していた。これは、国税庁と全国銀行協会等との間で口座振替納付に係る手数料を定めた基本契約を毎年締結して行われていたもので、郵送料等の経費は国税庁が支払っていた。
しかし、会計検査院が平成26年度決算検査報告で、①口座振替では預貯金通帳等への記入が行われており、これが納税証明となること、②現金納付の場合は日銀国庫金取扱規程に基づき領収証書を渡さなければならないが、口座振替の場合は国(日銀代理店)にとっての納入者は納税者の預貯金口座のある金融機関であり、納税者への領収証書の送付は、基本契約及び全国銀行協会と金融機関との間で締結した契約に基づくものであることを理由に、“国税振替の都度行う金融機関から納税者への領収証書送付の必要性は低い”とした上で、領収証書の送付を行わなければ平成24・25年の2年間で、7億円強(郵送料6億4600万円、領収証書の書式が印刷された用紙の製造請負費用5300万円、被覆用シールの製造請負費用240万円)が節減できたと指摘するとともに改善を求めた。
指摘を受けた国税庁では影響等を調査した上で、平成29年中を目途に廃止する方向で進めていた。

領収証書から証明書に

しかし、納税者の中には振替納税が完了したことの確認や証明が必要な場合もあることから、廃止後の対応に関心が集まっていた。そこで国税庁は、廃止に伴ってこの1月から、振替納税を利用している納税者のうち申告所得税及び復興特別所得税又は消費税及び地方消費税の申告書をe-Taxで申告しているケースは、e-Taxホームページ等の「振替納税結果」メニューから振替納税結果が確認できるようにした。
一方、書面による証明が必要な納税者には、税務署で「振替納税により国税を納付した事実の証明書」の交付を行っている。同証明書の交付を受けるには、本人の場合は、①「振替納税により国税を納付した事実の証明願兼証明書」(2部)、②個人番号カードなどの本人確認書類、③本人の印鑑を、代理人の場合は、①と②代理人本人であることの本人確認書類、③代理人の印鑑及び④委任状を用意して所轄の税務署管理運営部門に申請する。本人確認書類は、個人番号カードや運転免許証、パスポートなど顔写真付きの場合は1枚、健康保険証や国民年金手帳などの場合は2枚の提示が必要となる。また、切手を貼った返信用封筒を同封するなどにより、郵送による申請も受け付けてくれる。
申請後、内容確認が行われた上で、証明願兼証明書の下部にある証明欄に記載したものが交付される。なお、証明書の交付及び振替納税日から証明書が発行可能となる日までには、1~2週間かかる。

税務署総合窓口への書類提出時には「申告書等提出票」が必要

このほか、今年1月から変わった制度として、税務署での申告書等の提出時に、併せて「申告書等提出票」の作成・提出だ。
マイナンバー制度がスタートして1年を迎えるが、平成28年分の個人の申告所得税確定申告書や贈与税の申告をはじめ、国税関係の各種申告書や届出書等の税務関係書類への本格的なマイナンバー記載は今年からとなる。そのため国税庁では、税務署にも多くのマイナンバー記載書類が提出されることから、重要な個人情報を取り扱う行政機関として提出された書類を従来にも増して厳格に管理する必要があるとの観点から、原則1月から税務署での申告書等の提出時に「申告書等提出票」の作成・提出を求めている。ただし、この申告書等提出票の作成等は、納税者(税理士)が申告書や届出書等を税務署の総合窓口(管理運営部門の窓口)に提出する場合に作成等することとされており、①総合窓口以外の個人課税部門や法人課税部門等へ提出する場合、②郵送の場合は提出不要のほか、税理士等による申告書等の一括提出の場合は「一括提出表」を提出票に代用できる。また、申告書等提出票は、原則として1納税者ごとに1枚作成して提出書類に添付する。
今回、総合窓口でのみ必要とされる理由について国税当局は、「同窓口においては、他税目に係るさまざまな文書収受を行うほか、各種用紙交付、納税証明・現金納付受付、税務相談など、同時に多様な納税者対応を行うことから、適切に事務処理を行う必要があるため」と税理士会等へ説明している。
なお、マイナンバーの記載がない申告書や届出書等であっても、重要な個人情報が記載された書類であることには違いがないことから、総合窓口に申告書や届出書等を提出する際には必要となる。

「申告書等提出票」は各国税局仕様?

総合窓口での流れとしては、税務署の総合窓口で提出票を入手し必要事項を記載して、申告書や届出書等に添付して提出する。申告書等提出票には「納税者記載欄」と「税務署整理欄」が設けられているので、納税者は「納税者記載欄」にある氏名・法人名、電話番号と、マイナンバー記載書類の提出の有無及び申告書等の控えの持参の有無を確認する項目にチェックして、申告書や届出書等とともに窓口に提出する(税理士が提出する場合は、税理士氏名又は税理士法人名も記入)。書類を受け取った受付担当者は、「税務署整理欄」の提出書類の関係税目や文書種類を記入した上で提出書類の収受手続きをする。
なお、国税庁では、「申告書等提出票」の様式の体裁は国税局により多少異なることがあるため、ホームページには掲載の予定はないとしているようなので、是非、納税者サービスとして各国税局のホームページで掲載をしてほしいところだ。

※スタートは1月だが、一斉ではなく国税局ごとに準備が出来次第始められるので、現時点で行われていない税務署等もある。