2割特例を適用するかの検討

2割特例は、原則課税、簡易課税のどちらを選択している場合でも適用することができます。

事前の届出や申請は不要です。

申告書を提出するときに、1枚目の右側の「税額控除に係る経過措置の適用(2割特例)」に〇を入れれば適用となります。

先ほどの例では、2割特例を適用すれば納税額が少なくて済みましたが、下記のようなケースでは原則課税や簡易課税を選択した方が有利になります。

1. 多額の設備投資等により、売る金額よりも買う金額の方が多くなる場合(原則課税が有利)

消費税の計算は、

 原則:売上時にもらった消費税 ― 経費で払った消費税

なので、経費で払った消費税の方が多い場合は、計算結果がマイナスとなり、還付を受けることができます。

このような場合には、原則課税を選択するとよいでしょう。

簡易課税や2割特例を適用すると、還付が生じることはありません。

2. 卸売業の場合(簡易課税が有利)

卸売業の場合、消費税の計算は、

簡易:売上時にもらった消費税×1割(※) ← (※)卸売業の場合の割合

(2年前の課税売上高が5,000万円以下のみ適用可)

なので、2割特例を適用するよりも簡易課税を選択した方が納付税額が少なくなります。

必ずしも2割特例がお得だとは限らないので、そこは注意が必要ですね。

2割特例の適用が可能な期間

2割特例は、インボイス開始から3年間の経過措置です。

正しくは、「令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する課税期間」の特例です。

つまり、個人事業主の場合は、

  • 令和5年分(10月1日~12月末分のみ)
  • 令和6年分
  • 令和7年分
  • 令和8年分(1月1日~12月31日まで)

の4回まで2割特例を適用することができます。

ただし、課税売上高が1,000万円を超えるなど、どちらにしても課税事業者になる場合には2割特例は適用することができません。

免税事業者にとって、インボイス発行事業者になるかならないか悩ましいケースも多いでしょう。

納税が必要になることももちろん、「自分で消費税の申告書を作成できるのだろうか」という不安のある方もいらっしゃると思います。

そういう方は、国税庁ホームページから作成するのもいいのではないでしょうか。

【今月の写真】

BayFM76「AWAKE」にて、インボイス制度についてお話しました。

 

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【執筆者過去記事】

【74】源泉所得税の納期の特例の注意点あれこれ

【75】育児と税理士試験の両立のコツ(直前期ver.)

【76】サラリーマン増税ってどういうこと?

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