所得1千万円超の者は災害減免法の適用外

もう一つの方法である「災害減免法」に定める税金の軽減免除とは、法律名の通り、災害による住宅や家財の損失を対象としているが、対象範囲・要件等は雑損控除よりも狭い。例えば、対象となる資産の範囲をみても、住宅または家財の価額の2分の1以上でなければならない。また、税金の軽減額等は、損害を受けた年の所得で以下のように決められており、原則として1千万円超の者は利用できない。
所得金額が500万円以下……全額免除
〃   500万円超750万円以下……半額免除
〃 750万円超1,000万円以下……4分の1軽減

受け取った義援金には課税されない

糸魚川市駅北大火では、新潟県内市をはじめ全国から平成29年1月19日までに約2億6千万円の義援金が寄せられている。同市では、義援金配分委員会を設置して被害を受けた建物の居住者またはその建物で事業を営んでいた者、その建物の所有者に対して義援金を支給することとし、第1次災害義援金の申請受付を1月22日から開始している。見舞金は1世帯当たり、自己所有の住宅や店舗併用住宅に住んでいた者に対しては、建物被害が「全壊」および「大規模半壊」の場合は150万円(世帯主を除いた世帯員1人当たり30万円加算)、「半壊」の場合は75万円(同15万円)、「一部損壊」の場合は15万円とされているほか、自己所有の建物で事業を営んでいた者や貸事務所及び貸店舗で事業を営んでいた者、空家の所有者など対象者別に一定額が支給される。
このような被災者が地方自治体(都道府県や市町村など)から受け取った義援金の課税処理については、所得税法施行令第30条で非課税とされている。また、配分を受けた義援金は、資産の損害の補てんを目的とするものではないことから、雑損控除における損失額の計算上、その金額を控除する必要もない。

今年の確定申告で不可欠なマイナンバー

雑損控除等を適用するには、所得税及び復興特別所得税の確定申告を行わなければならない。確定申告時には、次のような書類等が必要になるが、平成28年分からは本人確認のためのマイナンバーが不可欠。
・被害を受けた資産の明細(内容・取得時期・取得価額)の分かるもの
・被害を受けた資産の取壊費用、除却費用その他これに類する費用で、被害に関連して支出した金額の明細の分かるもの及び領収書
・被害に対する保険金や損害賠償金等の金額が分かるもの
・損害を受けた年分の給与所得の源泉徴収票(原本)など所得計算に必要な書類
・還付となる場合には還付金の振込先口座番号
・市町村から交付を受けている場合は「被災証明書」
・本人確認書類(マイナンバーカード(個人番号カード)又は通知カード及び運転免許証など
雑損控除や災害減免法などを利用するような災害等に見舞われないことが一番良いことだが、万が一に損害を被ったときにはしっかり適用したい。