複雑難解な震災特例
いずれにしても、各地震及びそれに伴う震災被害のたびに、上記のとおり、さまざまな災害被害を救済するための特例措置が法定されているのです。これら大震災に伴う租税法上の取扱いを知るためには、上記の臨時特例に関する法令等を確認するだけでは足りないというのが現状です。多様な救済措置に伴い、これに応じるためのたくさんの法令が個別に規定されており、震災に関する租税法上の取扱いは極めて複雑なものとなっているといわざるを得ません。
地震大国である我が国では、その震災ごとに複雑な法令が制定され、さらに、数度の改正がなされるなど、実務的には混乱を極めています。
そこで、平成29年度税制改正において、災害関連の基本的取扱いが明記され、いわゆる時限的措置ではなく恒久的な措置としての震災特例が創設されることになりました。
ただでさえ混乱を極める大震災発生の際、その租税法上の取扱いが少しでも分かりやすくなるとすれば、喜ばしいことだと思います。
中央大学法科大学院教授/法学博士
中央大学法科大学院教授。法学博士。現在、税務会計論・租税法などを担当。一般社団法人アコード租税総合研究所 所長、一般社団法人ファルクラム 代表理事。単著に『スタートアップ租税法〔第4版〕』、『クローズアップ保険税務』、『クローズアップ事業承継税制』他5冊のアップシリーズ、『所得税法の論点研究』(財経詳報社)、『裁判例からみる所得税法〔二訂版〕』、『裁判例からみる法人税法〔三訂版〕』、『裁判例からみる税務調査』、『裁判例からみる保険税務』(大蔵財務協会)、『レクチャー租税法解釈入門』(弘文堂)、『プログレッシブ税務会計論Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ』(中央経済社)、『アクセス税務通達の読み方』(第一法規)、『キャッチアップ企業法務・税務コンプライアンス』、『キャッチアップ外国人労働者の税務』、『キャッチアップ保険の税務』(ぎょうせい)など。その他、論文多数。
■一般社団法人アコード租税総合研究所
http://accordtax.net/
■一般社団法人ファルクラム(FULCRUM)
https://fulcrumtax.net/