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税理士 「試験組」は希少価値 「試験免除者」は1400人時代へ

税理士になるためには、難しい税理士試験に合格するなどの要件をクリアしなくてはならない。一方で、条件を満たせば、税理士試験が一部免除され、別ルートで資格を取得できる。基本的には、試験が本筋、試験免除は“わき道”的な考え方なのだが、最近はこの別ルートが本筋になり、「試験組」と言われる本筋がわき道のようになってきた。一体、税理士試験はどうなっているのだろうか。

国家資者の税理士になるためには基本、税理士試験に合格し、2年以上の実務経験が必要だ。税理士試験は、会計系の簿記、財務諸表論、法学系である法人税や所得税、消費税、資産税、国税徴収法などの中から3科目の合計5科目に合格する必要がある。

税理士になるための本筋は、税理士試験で5科目合格することなのだが、他にも資格を取得するルートはある。公認会計士や弁護士などは、資格があることで「税理士」として仕事が出来るが、このほかにも、大学教授、准教授、講師なども、その専門科目によって一部試験が免除される。この試験免除制度だが、なにも大学で教鞭をとっている必要もない。大学院で修士号を取得し、課題の論文が国税審議会の審査を通れば、一部試験が免除される。

大学院の研究科が会計系なら、簿記か財務諸表論のどちらか1科目。法学系なら、2科目免除になり、試験には1科目合格でかまわない。つまり、「会計系、法学系、それぞれ1科目は試験を受けてください」というのが、税理士試験免除制度なのだ。当然、お金と時間の余裕があれば、会計系、法学系の二つの大学院で修士号を取得し、3科目免除という方法もある。それでも会計系、法学系でそれぞれ1科目ずつ、計2科目は税理士試験に合格しなくてはならない。

こうした免除ルートのある税理士試験だが、最近はこちらの「免除ルート」を利用して、税理士になる人が増えている。王道はもちろん5科目試験合格であり、免除はあくまで亜流だ。

ここで、平成28年度の新規税理士登録者数を見てみると、「試験合格者」は850人いる一方で、「試験免除者」の登録は1452人。約600人も免除者の方が多いのだ。27年度は、試験合格者が892人、試験免除者は1326人。過去5年を見ても、今や試験合格者を免除者が大幅に上回っているのだ。つまり、本筋の試験ルートがいつの間にか「わき道」になり、免除ルートが「本筋」に変わってきているのだ。

今や「5科目合格は希少価値人材」と言われるが、その意味が良く分かる数字だ。

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