では、なぜこんな現象が起きてしまったかというと、税理士試験そのものに問題があるといえる。

税理士になるためには、5科目合格が条件になるわけだが、一度に5科目合格する必要はない。1科目ずつ積み上げていき、最終的に5科目達成できれば良いのだ。1回合格した科目に時効はなく、その科目合格は何年でも維持される。そのため、時間を掛ければ可能性として税理士になれるチャンスがあるわけだ。

しかし一方で、何年掛けてもよいという安心感から、受験生の高齢化も進んでおり、今では40歳以下の受験生が減少し、41歳以上の受験生が増えている(図表参考)。「ここまで頑張ってきたのだから」という諦められない気持ちも大きいようだ。

さらに積み上げ方式なので、試験問題がかなり難しくなっている。試験問題だけをみると、公認会計士試験よりも難解だ。

そのため、時間を掛けても5科目合格が難しくなり、「残り1科目、2科目」となると、大学院で試験免除を狙う人が急増したのだ。税理士試験を受けながら、大学院ルートという“保険”をかける人も少なくない。

受験生の中には、税理士事務所に勤めながらチャレンジする人が多いわけだが、この人たちが年齢を重ねても資格が取れないと、所長の勧めもあり、大学院で免除による税理士資格所得を選択することも多いのだ。

免除ルートが悪いわけではないが、もう王道が王道でなくなっている状況下では、試験制度自体の見直しも必要ではないのかとの指摘も少なくない。

かつて税理士業界において大学院出身者は、かなり冷ややかな目で見られていた。そのため、最終学歴の記入欄には、あえて大学院を記載しない税理士も多かった。免除制度が今よりも優遇され、1科目も受験しないで無試験で税理士になれたことも、おおっぴらにできない理由だった。

昔を知るものからすると、「免除税理士」を受け入れる税理士業界の環境も大きく変わってきたのだ。

 


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