国税OB税理士が監修。公認会計士・税理士・会計事務所・企業経理担当、税金・会計に関わる“会計人”がいま必要な情報をお届けします!

会計人ニュース

注目キーワード

【BIPA】介護事業者が抱える経営の悩みを解決~SMS 福田升二介護事業本部長~

「高齢社会に適した情報インフラを構築することで、価値を創造し、社会に貢献し続ける」を企業理念に、「介護」「医療」「キャリア」「ヘルスケア」「シニアライフ」の5つの事業領域で40を超えるサービスを提供する株式会社エス・エム・エス(東京・港区, 代表取締役社長=後藤夏樹氏 以下「SMS」)。介護領域における業務効率化や介護事業者向けの人材採用支援等を通じて、高齢化社会に適した情報インフラの構築を推進する同社の活動について、福田升二介護事業本部長に聞いた。

株式会社エス・エム・エス 介護事業本部 本部長 福田升二  神戸大学大学院修了後、伊藤忠商事株式会社に入社。情報産業関連の部署に配属となり、海外を含めたインターネット関連の新規事業開発・投資業務に携わる。2013年1月にエス・エム・エスに入社。事業開発本部を経て、介護事業者向け経営支援サービス「カイポケ」や介護業界最大級の介護職向け求人情報サービスの「カイゴジョブ」、施設検索・入居紹介サービス「かいごDB」、介護家族向けの情報サービス「安心介護」などを中心とする介護領域全体を介護事業本部長として統括。また、子会社の代表取締役と「士業介護経営支援協会代表理事」「一般社団法人日本デイサービス協会理事」「トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社顧問」を兼務。

―まず、介護業界の現状を教えてください。

福田 介護業界は医療と違い、民間参入が許された業界です。この背景には、高齢化が進むなかで、行政の力だけではサービスの総数が足りず、民間に開放された流れがあります。これにより、介護業界のすそ野を広げ、サービスの総数を一定量確保することができました。その一方で、財政赤字が続くなかで最近の介護保険法の改正や2018年の法改正等によって、社会保障費は増加するものの介護報酬は抑制の方向にあるため、各介護事業者の売上げは下降していくことが予想されています。高齢者の総量は引き続き増加していき、2025年には給付費の総額が20兆円近くまで伸びる見込みです。一見、明るい成長産業に見えますが、これは増加する高齢者の数に比例して給付金が増えているだけのこと。一人あたりの給付金の額は一定もしくは減少傾向のまま、総数の増加によりマーケットが伸びていく見込みです。

―売上げの実態は減っていく構造ということですね。

福田 その通りです。事業拠点を拡張・多店舗化や生産性を上げるなど、売上を上げるためのさまざまな選択肢がありますが、介護事業者が実践するにはどれも非常に厳しいのが現状です。ほかの業種にも言えることですが、そもそも日本全国で働き手が足りない。介護業界は事業者の売上げが伸びにくいにも関わらず、採用コストが高くなる構造なので、相当しっかりとしないと経営が回らなくなるのは必然なのです。人材確保の難易度が上がる中で、ITなどをうまく活用し生産性を上げ、業務・経営効率を上げていくことができた企業だけが生き残っていけるといっても過言ではありません。

―今後の介護業界はいわゆる中小企業事業者が淘汰され、大手が拡大していくイメージなのでしょうか?

福田 さまざまな意見がありますが、短期的にみると一定量の中規模化が進む可能性はあるでしょう。ただし、これらが大規模な事業者に集約されていくまでには、まだまだ時間がかかるだろうと見ています。というのも、介護業界は地域密着型のサービスなので巨大化することのメリットが意外に少ないのです。

一方で、最近は他業種もかなり介護業界に参入してきています。さらに、介護業界は倒産の比率や廃業率は他産業と比べて特段高いわけではないので、マーケットの流れを読みきることができれば、相対的に有望なマーケットであると思います。ただし、今後どのように進んでいくかは、国の政策にもかなり左右されると思います。

―介護事業者の経営改善や業務効率化について伺います。御社の「カイポケ」はどのようなサービスですか?

福田 介護事業者の経営者・管理者の中には、経営に対する感度や管理能力がそれほど高くない方も多く、非効率な経営・運営をされているケースが多くあります。経営・運営にまつわる悩み全般をなんとか支援できないかという観点で作ったのが「カイポケ」です。「カイポケ」は、介護事業者の経営・財務安定化及び業務負荷削減をサポートし、介護事業者が目指す「理想の介護」実現を全面的に支援するサービスです。現時点で採用支援サービスや営業支援サービスなど約40の経営支援サービスを展開しており、2017年7月時点で、全国1万8900事業所(1万3950拠点)の介護事業者が会員となりご利用いただいています。

たとえば介護の現場では、介護サービス提供に係る書類や介護報酬に係る書類、その他経営・運営に係る書類の作成が必要ですが、「カイポケ」ではこれらの書類を効率的に作成することが可能です。

たとえば、予定データを入力しておき、介護サービス提供中にサービス提供内容をタブレットなどで入力すると介護記録や業務日誌、そして実績データが自動作成されます。実績は請求につながるほか、介護記録や業務日誌は保管や利用者様にお渡しするといったかたちです。

「カイポケ」では少ないインプットで、介護サービス提供に係る書類も報酬に係る書類も、複数の書類を作成(アウトプット)をすることが可能であり、これらの機能が現場の生産性を上げます。ですから、クラウド上で情報連携させるだけで、現場の効率はグッと上がり、注力したい仕事に集中できるというわけです。リアルタイムに情報を確認でき、情報伝達も正確に行えます。ほかにも、介護業界では人材採用について悩みを抱えている方が非常に多いですが、当社は介護業界最大級の求人サイトも運営しています。そことも連携させながら採用支援を行うこともでき、あらゆる面でのサポートが可能です。

1 2
ページ先頭へ