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“税界”の裏話 オーナー社長は注意! 税務調査で「認定賞与」 どこまで遡及されるの・・・ 

中小企業の交際費は現在、上限、年間800万円もしくは、その接待交際費の50%までが認められている。オーナー社長にとっては、かなりの金額を交際費処理できるわけで、やりがちなのが公私混同だ。あくまで交際費として経費で落とせるのは事業に関する支出だけ。会社で落とすことの出来ない社長の私的支出を、税務調査で認定されたらどのような税のペナルティがあるのだろうか。また、その遡及についてはどうなるのだろうか。

オーナー社長で多いのが、個人的に負担すべき支出を会社経費で落とてしまうこと。

一般的に多いのが、会社業務と関係のないプライベートな交際費、飲食代、旅費、消耗品などを会社経費として落としてしまうケースだ。

それを税務調査で指摘されると、その費用は「役員への賞与」、いわゆる「認定賞与」と扱われる。

「認定賞与」されると、役員給与とは異なり、損金処理できない。つまり、その金額を賞与とみなして課税されるのだ。その課税の範囲は、その性質上、法人税、源泉所得税、消費税など多方面に渡る。

法人税で見てみると、認定賞与は損金不算入のため、会社の課税所得が増え、法人税等の追徴税額が発生する。また会社は所得税の源泉徴収義務もあるため、認定賞与の金額に応じた源泉所得税、更には消費税においても、原則課税であれば、認定賞与の額に対応する消費税が仕入税額控除から除外されことから、結果として、その除外された消費税額に追徴税額が発生することになる。つまり、認定賞与と判断されると、多大なペナルティが課せられるわけだ。

さて、平成23年12月に国税通則法が改正され、一般的に更正の請求の期間が原則5年となった。しかし、原則5年も例外があり、「偽りその他不正の行為」があった場合は7年遡及される。

さて、不正行為が把握され認定賞与となり、法人税の課税処分が7年に遡って行われたとすると、源泉所得税の納税告知も7年間遡って課税されるのかという実務上の質問をよく耳にする。国税OB税理士によると、「7年間はかなり長いが、その認定賞与が『偽りその他不正の行為』に係るものである限り、原則7年間遡及して納税告知が行われると推察される」と言う。なぜなら、「偽りその他不正の行為」である限り、その源泉所得税の消滅時効は、法定納期限から2年間進行しないため、認定賞与等に係る源泉所得税についても7年間遡及されるというのだ。

ただ、源泉所得税事務運営指針(重加算税指針)においては、認定賞与等に係る源泉所得税については「重加算税を賦課しない」ものとされ、認定賞与等が法人税の重加算税の対象とされる所得の金額に達するまでの金額については、源泉所得税の重加算税の対象として取り扱わないとされている。

著者: 宮口貴志

KaikeiZine編集長

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。現在は租税研究会の事務局長であり、会計事務所ウオッチャーとしても活動。
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