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酒井克彦の「税金」についての公開雑談~仮想通貨の譲渡問題 制定されない政令~

制定されない政令

そこで、その施行令である外国為替令(昭和55年10月11日政令第260号) 2条《定義》を確認すると、次の2つしか示されていないことが分かります。

  • (1)約束手形(次項に規定する証券又は証書に該当するものを除く。)
  • (2)法第6条第1項第7号イ若しくはロ又は前号に掲げるもののいずれかに類するものであって、支払のため に使用することができるもの

つまり、外国為替及び外国貿易法6条1項7号ハ括弧書きの「その使用の状況が通貨のそれと近似しているものとして政令で定めるものに限る。」とする政令規定事項についてはいまだ明定されていないのです。

換言すれば、政令が未だに制定されていないというわけです。
これが明らかにならなければ、消費税法基本通達6-2-3が示す「外国為替及び外国貿易法第6条第1項第7号《定義》に規定する支払手段」が、実定法上どのようなものであるのかを特定することはできないように思われます。

ここでは差し当たり、実定法上の規定の確認をすることによって、ビットコインのような仮想通貨の譲渡が、そもそも、消費税法上の「非課税となる有価証券等の譲渡」に該当するかを確認しようと試みましたが、通達を経由したこの流れで確認することはできないというわけです。

 

著者: 酒井克彦

中央大学法科大学院教授/法学博士

中央大学法科大学院教授。法学博士。現在、税務会計論・租税法などを担当。一般社団法人アコード租税総合研究所 所長、一般社団法人ファルクラム 代表理事。単著に『スタートアップ租税法〔第3版〕』、『クローズアップ保険税務』、『クローズアップ事業承継税制』他5冊のアップシリーズ、『所得税法の論点研究』(財経詳報社)、『裁判例からみる所得税法』、『裁判例からみる法人税法〔3訂版〕』、『裁判例からみる税務調査』(大蔵財務協会)、『レクチャー租税法解釈入門』(弘文堂)、『プログレッシブ税務会計論Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ』(中央経済社)、『アクセス税務通達の読み方』(第一法規)、『キャッチアップ改正相続法の税務』、『キャッチアップ外国人労働者の税務』、『キャッチアップ保険の税務』(ぎょうせい)など。その他、論文多数。
■一般社団法人アコード租税総合研究所
http://accordtax.net/
■一般社団法人ファルクラム(FULCRUM)
http://fulcrumtax.net/

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