国税OB税理士が監修。公認会計士・税理士・会計事務所・企業経理担当、税金・会計に関わる“会計人”がいま必要な情報をお届けします!

会計人ニュース

注目キーワード

確定申告で間違いやすい医療費控除 インフルエンザの予防接種は対象外

医療費控除の対象となるものとは

一方で、風邪治療のため、ドラッグストアなどで薬を購入したのなら、その費用は医療費控除の対象になる。
意外に知られていないのが、通院時の交通費。日付と交通手段、金額の明細書を作れば、医療費控除として認められる。(病院の診療明細の日付と合っていること)。緊急時のタクシー代も医療費控除の対象だ。たとえば、急病の子どもに付き添う親の交通費。医師を自宅に送迎するための交通費など。
このほか、以下に掲げるものが医療費控除の対象になる。

<医療費控除になるもの>
(1)医師・歯科医師による診療、治療費
(2)治療、療養に必要な薬
(3)治療のため薬局で購入した薬
(4)急病やケガなどで病院に運ばれた際のタクシー代など
(5)通院入院の際の交通費
(6)付添人の交通費
(7)入院の部屋代など
(8)医療用器具の購入費。たとえば、コルセット・義手・義足・松葉杖・補聴器・義歯など
(9)治療に係わるおむつ代。6カ月以上寝たきりでおむつの使用が必要な場合、その購入またはリース代。
(10)助産婦などによる出産介助に対する料金
(11)あんま・マッサージ、指圧師、鍼師、灸師、柔道整復師による施術費
(12)介護保険などによる居宅サービス(*在宅療養については領収書に医師等の証明があったもの)

基本的に、税務署は土日休みなので、平日に確定申告をする必要がある。ただこの時期、一部税務署は、日曜日に行っているので確認しておきたい。今年の日曜開庁は、2月21日と28日だ。
(詳しくは http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/heichoubi.htm

改正される特別医療費控除の中身とは

ところで、平成28年度税制改正では、ドラッグストアなどで市販されている薬を年間1万2千円以上購入すると、「特別医療費控除」が受けられる予定だが、この中には、通常の医療費控除の対象にならない予防も控除対象になっているので覚えておきたい。
この特別医療費控除は、これまでの医療費控除の特別枠として設けられるもので、対象は市販薬に限られる。
新制度の正式名称は、「セルフメディケーション(自主服薬)推進のためのスイッチOTC薬控除」。
適用は、平成29年1月1日から平成33年12月31日まで。この間に、自己もしくは自己と生計を一にする配偶者及びその他の親族に係る一定のスイッチOTC医薬品を購入した対価について、年間1万2千円を越える部分について総所得金額等から控除される。上限は8万8千円だ。
控除を受けるには、適切な健康管理のもと医療用薬品からの代替を進めるものなので、日ごろからの健康管理、予防促進などに取り組む必要がある。
たとえば、税制大綱に明記されたものを見ると、
①特定健康診断、
②予防接種、
③定期健康診断、
④健康診断、
⑤がん検診
などを受けておく必要がある。新制度は、医療費控除と特別医療費控除の選択制で、納税者が有利な方を選ぶことができる。

(関連記事)年間1万2千円越えたら特別医療費控除 医療費控除とのダブル適用はNG https://kaikeizine.jp/article/546/

 

著者: 宮口貴志

KaikeiZine編集長

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。現在は租税研究会の事務局長であり、会計事務所ウオッチャーとしても活動。
■税と経営の顧問団租税調査研究会
http://zeimusoudan.biz/
■KaikeiZine
https://kaikeizine.jp/

1 2
ページ先頭へ