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2019年10月の消費税率10%引き上げは実現されるのか  財務省の力がそがれるなか自民若手議員からも反対の声

ここにきて、2019年10月からの消費税10%への引き上げに、「待った!」をかける動きが出てきた。それも共産党を始めとした野党でなく、自民党内からの動きだけに無視できない状況になりつつある。消費税10%への引き上げは、家計を預かる主婦を中心に反対の声も多く、2019年夏に予定されている参議院選挙に大きく影響してくることが予想される。安倍政権に対する支持率が芳しくない中、再度10%引き上げの延長の牽引役となるか注目される。

平成26年11月の記者会見で安倍晋三首相は「平成29年(2017年)4月に確実に引き上げていく」と約束し、経済政策を講じてきたが、2年後の平成28年5月に再度、消費税率10%への引き上げを31年10月へ再延期することを決めた。すでに2回延長をしてきただけに、3回目はさすがに難しいというのが一般的な見方だろう。ただ、政治の世界は何が起こるかわからない。

現状、安倍首相を取り巻く状況は決して良いとは言えないだけに、消費税10%への引き上げに影響してこないとも考えられない。

安倍首相の2期目の総裁任期は今年9月。3期目に選出された場合、総裁任期は2021年9月までとなる。この間、2019年9月には参議院選挙も控えているだけに、10月の消費税10%への引き上げは大きなダメージになりかねない。こうした状況もあり、自民党の衆参若手議員でつくる「日本の未来を考える勉強会」(呼びかけ人代表・安藤裕衆院議員)が5月1日、来年の消費税率10%への引き上げ凍結や20兆円超の景気対策を求める提言書をまとめた。今月中旬以降、安倍晋三首相と二階俊博幹事長に提出する考えという。

2019年10月の消費税増税は凍結すべき?

提言では、26年4月の消費税増税で経済成長が鈍化した影響で「日本は今、再デフレ化に直面している」と指摘。その上で「政権奪還後5年以上経過してもなお、この状況のままでは、自民党政権の信任にも関わると危惧する」としている。消費税増税後、税収が想定より伸び悩んだことを踏まえ「最低でも増税凍結することが必要」とも明記している。

勉強会は昨年4月から今年3月末までに計16回開催。提言書には衆院当選3回生ら約30人程度が賛同する見通しという。

同会は、昨年8月にも消費税10%引き上げを凍結するように執行部に提言書をしてきた。

呼びかけ人代表の安藤衆議院議員は、税理士でもあり税制には詳しいといわれる。神奈川・横浜市で開業したが、選挙の関係で京都で出馬し、現在3期目だ。消費税10%引き上げは、共産党など与党を中心に反対する向きがあるが、自民党内からこうした動きが出てくることは気になる。10%引き上げをしないでも済むならそれに越したことはないが、財政上、それを許される状況にはないように個人的には思っている。所得税、法人税を中止とした税収体制は、少子高齢化、人口減、経済成長の鈍化などから見直す時期に来ているように感じる。

消費税10%還元セールの解禁

財務省はこのほど、消費税10%還元セールを解禁する方向で、内閣府や財務省が調整に入っている。5%への増税時は還元セールが全国で相次いだものの、値下げ分が納品業者にしわ寄せされた疑いや、「税は負担しなくてもいいもの」との誤った認識を消費者に与える可能性が問題視され、8%引き上げのときには禁止された。財務省としては、10%への引き上げを見越して着々と進めているものの、消費税10%引き上げの風当たりが強くなるのか、今後の展開に注目が集まる。

著者: 宮口貴志

KaikeiZine編集長

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。現在は租税研究会の事務局長であり、会計事務所ウオッチャーとしても活動。
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