税務職員に求められる倫理観

しかし、この浅はかな目論見は成功するでしょうか。税務職員は、単に国家公務員というだけではなく、税金を公平かつ適正に徴収するという使命を帯びているのですから、一般の国家公務員よりもさらに高いコンプライアンスが求められているといってもよいはずです。

この点は、まさに、大阪地裁昭和53年10月2日判決(訟月25巻1号320頁)が説示するとおりです。

「税務職員の場合、わが憲法秩序は国政の民主的運営をその根本理念とし、これを支える財政的基礎をなす租税も国民の基本的義務として民主的手続を経て徴収されることを予定しており、従って、国民の納得のいく課税とその徴収活動がなされなければならないことは当然であり、逆にいえば、租税徴収過程の公平と適正に対する国民の信頼が失われるときは、民主国家の基礎が揺らぐといつても過言ではないのであるから、かかる活動に従事するものとして、特にその職務の公正の保持に留意し、国民からこの点に関し一点の疑念も抱かれないよう心がける責務があるというべく、かような責務を十分に理解し、行動する能力、意欲を有することが税務職員の適格性の中核であるといわねばならない。」

すなわち、税務職員は一点の疑念さえも抱かれないように行動しなければならないのであって、苦労してタコ社長がはるみのサインをもらったところで、税務職員はそれを受け取れないのです。

タコ社長は、税務署についての理解がまだまだ足りていないようです。


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