前衛芸術と千円札事件
さて、偽札作りの芸術家といえば赤瀬川原平(赤瀬川克彦)が有名です。赤瀬川は、数多くの模型千円札による前衛芸術を生み出していましたが、昭和38年に印刷所で「千円札を印刷」して芸術作品を作ったことに関する千円札裁判では、赤瀬川の作品が「通貨及証券模造取締法」に違反するか否かが争われました。
同裁判は「芸術とは何か」が論じられる我が国の美術史に残る事件になりましたが、もしかしたら、赤瀬川にとっては裁判自体が芸術活動だったのかもしれません(筆者も訪れた「赤瀬川原平展」では、そのような観点から表現されていました。)。
この点、千円札を精密に模した赤瀬川の作品では、納税ができないでしょう。
模造された紙幣で納税ができないことは当然のことですが、MMT理論によれば、模造紙幣には貨幣としての価値が認められないことになるでしょう。
ところで、信用証書の偽造たる偽札作りは犯罪であり(通貨偽造・通貨変造罪(刑法148①))、無期懲役または3年以上の懲役に処せられます。
納税のために貨幣を発行する政府は、同時に、偽札作りの防止の努力も続けているわけですが(もっとも、我が国の財務省が、信用貨幣論を採用しているわけではありませんが)、近年、我が国の紙幣作成に関する技術力が奏功しており、偽札の発見件数は比較的減少しています。
さらに、令和6年からは最新の印刷技術を用いた新紙幣が発行されることになっており、偽札の作成は一層困難なものになっていくことが予想されます(新紙幣の発行については後編に続きます。)。
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