◇利子税が延滞税に代わる場合

平成23年税制改正によって、連帯納付義務者が納付する場合には、延滞税が利子税に代わると前述しましたが、ここで注意が必要です。

法定納期限から納付基準日までの期間は利子税が適用されますが、納付基準日後の期間は、延滞税が適用されます(相続税法第51条の2第1項三号)。

なお、連帯納付義務者が納付した利子税又は延滞税に相当する額は、本来の納税義務者の相続税に係る延滞税の額について納付があったものとみなされます(相続税法第51条の2第2項)が、それ以外の部分の延滞税の額については、本来の納税義務者は、引き続き納付する必要があります。

◇連帯納付義務者は延納できない

相続税の延納については、相続税法第38条で延納ができると定められています。

しかしながら、これは本来の納税義務者をいい、連帯納付義務者は含まれておりません。

また、期限後申告又は修正申告若しくは更正又は決定により納付すべき相続税額に併せて納付すべき延滞税又は加算税についても適用はありません。

◇連帯納付義務者に納税義務の承継は生じない

仮に、連帯納付義務者Aが死亡した場合、その相続人甲・乙は、Aの連帯納付義務に係る国税を相続分により按分して計算した額を、他の連帯納付義務者とともに連帯して納付する義務を承継します。この場合、相続人甲・乙相互間には納付責任の関係のみが生じ、連帯納付義務の関係は生じません(昭和34.6.19最高裁判例参照)。

◇連帯納付義務者が相続税を支払った場合の贈与税

連帯納付義務者が本来の納税義務者の代わりに相続税を納付した場合、その納付した額については、本来の納税義務者に対する求償権が発生します。

この場合、連帯納付義務者が、相続により取得した財産の価額を限度する自分の負担する部分を超えて納付し、その超える部分の金額について他の債務者に対し求償権を放棄したときには、その超える部分の金額は、贈与があったものとみなされ、贈与税が課税される場合があります。

≪参考≫相続税法法令解釈通達8-3(国税庁HP)

◇家庭裁判所に相続放棄を申し立てると連帯納付義務は無くなる

相続放棄は、相続発生から3カ月以内に家庭裁判所に申し立てることができます。

相続放棄をすれば相続人ではなくなりますので、連帯納付義務も負うことはありません。

ただし、注意したいのが、家庭裁判所に申立てをせずに遺産分割協議書だけで、相続放棄をした場合には、民法上の相続放棄とはなりませんので、連帯納付義務が発生します。

相続が発生すると、金銭にからむ色々な問題が発生します。

遺産分割の際に、相続税の納付についても相続人同士でよく話し合っておき、他の相続人の相続税の納付状況も確認しておくとよいでしょう。


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