兄弟は他人の始まり
さすがに殺す程ではないにせよ、人間の世界でも「兄弟は他人の始まり」などという言葉があります。血を分け合った兄弟であったとしても、いずれはそれぞれが別の世帯を持っていく、すなわち、これ他人の始まりというわけです。
親子の関係は切っても切れませんが、兄弟は利害関係や結婚などによって、互いの情愛も薄れて他人のようになることを「兄弟は他人の始まり」といいますが、それぞれ成長し独立すると、疎遠になって他人同士のようになっていくというわけですね(故事ことわざ辞典〔http://kotowaza-allguide.com/ki/kyoudaiwatanin.html〕)。
さて、相続税法も兄弟の取扱いに関してはドライな一面を有しています。
相続税法では、兄弟への相続については相続税が2割加算される制度があります。すなわち、同法18条《相続税額の加算》は、「相続又は遺贈により財産を取得した者が当該相続又は遺贈に係る被相続人の一親等の血族…及び配偶者以外の者である場合においては、その者に係る相続税額は、…同条の規定により算出した金額〔筆者注:通常の相続税額〕にその百分の二十に相当する金額を加算した金額とする。」と規定します。
これは、相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人が、被相続人の一親等の血族(代襲相続人となった孫(直系卑属)を含む。)及び配偶者以外の人である場合には、その人の相続税額にその相続税額の2割に相当する金額を加算するもので、一親等か配偶者以外の者に相続または遺贈をした場合は、相続税の負担が増す仕組みです。いうなれば、相続税法は「兄弟は他人」というスタンスに立っていると言えるかもしれません。
旧約聖書におけるカインとアベル、古事記におけるオウスノミコトとオオウスノミコトなど、イヌワシのように兄弟を殺してしまう古典も多く存在しますが、人間社会のルールも、結局行き着くところは「兄弟は他人」ということなのでしょうか。
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