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2022年度 4大監査法人ランキング(前編)

2022年度 4大監査法人ランキング(後編)

2022年版 4大監査法人決算分析 有限責任監査法人トーマツ

2022年版 4大監査法人決算分析 有限責任あずさ監査法人

 

3.業務収入単価

続いてクライアント1社あたりの業務収入、すなわち報酬単価を見ていきます。

* 単価は年間の業務収入÷期末のクライアント数で算出

報酬単価の1位は京都で1416万円となっています。
それに続くのが1212万円の東陽ですが、京都とは200万円程度とかなり大きな差がついています。
さらに約160万円差が開いた1055万円で仰星が3位となり、4位三優が差のない1044万円、最後に太陽が909万円となっています。
1位京都は5位太陽の1.5倍ほどの報酬単価となっており、金額にかなりの開きがあることが分かります。

報酬単価についても監査と非監査に分けて見ていきます。

監査業務では1社あたり1825万円の京都が1位となり、他法人を大きく引き離しています。
2位は1483万円の三優、3位が1445万円の東陽、4位が1418万円の仰星となっており、2位~4位までは1400万円台でそれほど大きな差はありません。
5位の太陽は1社あたり1214万円となっており、監査収入ではトップですが単価面では最も安く、1位京都の2/3程度となっています。

続いて非監査を見てみます。

ここでも1位は448万円を記録した京都となっています。
2位が三優で254万円、3位が213万円で仰星、4位が太陽で153万円、そして5位が東陽で137万円となっています。
監査同様、トップの京都が2位以下にかなりの差をつけています。

単価については全体、監査、そして非監査いずれも京都が1位となっています。
京都はTOPIXコア30にも選出されているKDDI、日本電産、任天堂に加え、京セラやジェイテクトといった大規模クライアントを抱えていることからクライアント単価が高いものと想定されます。
一方、5位の太陽は全体および監査業務で5位、非監査で4位となっており、収入規模こそ圧倒的に大きいものの、京都のような大規模クライアントは少なく、さまざまな規模のクライアントを多数抱えていることから比較的単価が低くなっているのかもしれません。

4. 人員数ランキング

ここでは人員の面から各法人を比較していきます。
まず社員について、88名を抱える太陽が1位となっています。
続いて69名の東陽が2位、仰星が44名で3位となり、4位が35名の三優、そして5位が31名の京都となっています。
トップの太陽は、3位仰星と4位三優の倍以上、そして5位京都の3倍以上の社員を抱えています。

* 京都の90名には非常勤/嘱託の2名は含まれていない

使用人としての公認会計士を見てみると、順位としては社員数と変わらず、こちらも太陽が296名でトップとなっています。
以降、2位が東陽で227名、3位仰星が105名、4位三優が94名、そして5位京都が90名となっており、社員数と同じ順序です。
公認会計士の数についても、太陽は3位仰星、4位三優、そして5位京都の3倍程度を雇用しています。

社員および公認会計士いずれも太陽がトップであり、2位東陽の1.5倍程度、仰星、三優および京都の2~3倍程度の人員数を誇っています。
業績、クライアント数に加えて、人員規模からみても、太陽は準大手の中でとびぬけた存在感を放っていると言えそうです。

一方、業務収入とクライアント数で2位につける京都は、社員および公認会計士の人員数では最も規模が小さい法人になっています。
別の観点では、少ない社員数、公認会計士の数で多くのクライアントを抱え、より大きな収入を稼いでおり、効率的な経営がなされていると言えるかもしれません。

5. 提携先 国際会計事務所ランキング

企業のグローバル化に伴い監査法人のグローバル化も進んでおり、準大手の各法人は海外の国際会計事務所と提携しています。
最後に提携先の国際会計事務所の2021年度売上ランキングを見ていきます。

* 「World Survey 2022」(International Accounting Bulletin)より作成

準大手法人の提携先のうち、最も収入が大きいのは京都の提携先であるPricewaterhouse Coopers International Limited(以下PwC)であり、2021年度は451億4200万ドルを計上し、International Accounting BulletinのWorld Survey 2022ではDeloitte に次ぐ 2位になっています。
それに続くのが三優の提携先であるBDO International Limitedで117億3290万ドル(同 5位)、以降、太陽の提携先Grant Thornton International Ltd.が65億7840万ドル(同 7位)、仰星の提携先NEXIA Internationalが50億7860万ドル(同 8位)、そして東陽の提携先Crowe Globalが45億6080万ドル(同 9位)となっています。

京都に加えてあらたの提携先でもあるPwCは国際的なBIG4の一角を担う巨大会計事務所であり、日本円で5兆円を超える収入を誇っています。
三優の提携先BDOもPwCの1/4とはいえ5位につけており、BIG4を除くと唯一100億ドルを超える規模となっています。
その他の提携先についても全てトップ10にランクインしており、準大手法人はいずれも国際的な会計事務所と提携していることが分かります。

準大手への就職を希望しつつ、将来的に海外駐在を希望している、あるいは海外からのメンバーと一緒に働きたいといった希望がある場合は、提携先の国際会計事務所に関するデータが参考になるかもしれません。

 

業績、クライアント数、1社あたりの報酬単価、人員数、そして提携先の国際会計事務所の点から、準大手監査法人の2021年度ランキングをご紹介しました。
2018年に優成監査法人と合併した影響もあり、規模の面では太陽が他法人を圧倒していますが、他方、単価に関してはPwCと提携する京都が頭一つ抜けているなど、各法人の特徴を垣間見ることができます。
大手監査法人から流出したクライアントや新規株式公開企業等の受け皿として、しばらくの間、準大手監査法人の業績は拡大していくと想定されます。
今後も引き続き動向をウオッチしていきたいと思います。

 

【参考・出典】
*1 「令和3年版モニタリングレポート」、公認会計士・監査審査会
*2 「業務及び財産の状況に関する説明書類」、PwCあらた有限責任監査法人


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