103万円以下で年末調整をしないケース
パート・バイトで年末調整をしないのは、主に次のようなケースです。
- 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を提出していない
(他の職場に給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を提出しているケースを含む) - 年の途中で退職した
他の職場で扶養控除等(異動)申告書を提出しているなら、そこで年末調整を受けます。
年末調整をすれば得するの?
「年末調整をすると必ず還付される」と思い込んでいる人がいます。
まるで年末調整でおこづかいをもらえるかのようです。
実際はどうなのでしょうか。
たいてい103万円以下は年末調整で得しない
残念ながら、103万円以下のパート・バイトの人が年末調整で得することはほとんどありません。
毎月の給与から所得税が天引きされていないからです。
年末調整で還付されるのは「天引きされている所得税が本来の所得税より多いとき」です。
「毎月の給与から天引きされる所得税が0円」
「103万円以下の給与所得者の本来かかる所得税は0円」
こういった状況で年末調整をしても還付も徴収も生じません。
103万円以下が年末調整で得するケース
ただ、103万円以下でも年末調整で還付されることがあります。それは
「給与年収は103万円以下だけど、ある月のパート代・バイト代で所得税が源泉徴収されたとき」
です。
これは「扶養の範囲内で働いているが、ある月に集中して仕事した」というケースで生じます。
例えば、3カ月ほどパートを休んだ後、3カ月分まとめて働いて1カ月で10万円稼いだとしましょう。
扶養親族がいなければ、源泉所得税は720円になります。
年末調整をすると、この720円分が還付されます。
年末の給与で支給額に上乗せされる形で戻ってくるのです。
年末調整で注意したいポイント
給与年収が103万円以下の人は、次の点に注意しましょう。
在宅ワークは「契約形態」に注意
今回お話した「103万円以下」「年末調整」は、給与所得をもらっている人向けです。
つまり、勤務先と雇用契約を結んだ上で働いている人のみとなります。
次の人は、今回のお話とは関係ありません。
- 業務委託契約で在宅ワークをしている人(ライター、デザイナー、プログラマーなど)
- 業務委託契約により試飲販売や試食などの仕事をしている人
- 自宅開業のピアノ教室、ヨガ・ピラティス講師などの個人事業主
こういった人たちは、利益が48万円を超えると確定申告が必要になります。
なお、受け取っているお金が給与所得なら、勤務先から次の源泉徴収票をもらいます。

【引用元】令和 年分 給与所得の源泉徴収票(令和4年分以後用)(国税庁)を加工して作成
パートやバイトのかけもちは確定申告が必要なことも
勤務先が1つだけで、そこでの給与年収が103万円以下なら年末調整で終わりです。
しかし、複数の会社でパートやバイトをし、年末調整をしなかった会社からの給与所得の合計が20万円を超えるなら、基本的に確定申告が必要となります。
厳密には、次のように線引きされています。

【引用元】No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人(国税庁)を加工して作成
やや分かりにくいのですが、確定申告が必要かどうかは、その都度この条件に当てはめて判定していきます。
(2022年11月25日 加筆修正)
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