納税管理人と税理士法との関係

選任された納税管理人は、納税者に代わって納税申告書の提出やその他国税に関する事項を処理することになりますが、税理士法では、「税理士または税理法人でない者は、原則として、税理士業務を行ってはならない」と規定しており、税理士法に抵触しないか疑義が生ずるところです。

この税理士業務とは、「他人の求めに応じ、租税に関し、税務代理、税務署類の作成または税務相談を行うことを業とすること」です。

言い換えれば、「業とするもの」でない場合には、税理士および税理士法人以外の者もこれらの事務を行うことができることになります。

そうすると、業とするものでない場合には、税理士および税理士法人以外の者が納税管理人として選任されることに特段の支障はないと考えられます。

なお、ここで言う「業とする」とは、税務代理、税務書類の作成または税務相談を反復継続して行うことをいい、営利目的の有無や有償無償の別は問いません。

給与所得者の国外転勤

通常の給与所得者は、年末調整により清算されますので確定申告の必要はありません。

この給与所得者が国外転勤により非居住者となるときは、その時において年末調整がされます。この場合における所得税法上の諸控除の判定時期は、居住者でなくなる時です。

ところで、このような者が納税管理人を選任すれば、この諸控除の判定時期は12月31日となります。

したがって、その間に例えば、扶養家族が増えたりすれば、諸控除額も増えますので、翌年の確定申告期において、還付申告書を提出することができます。

特定納税管理人とは

近年、国内に拠点を有しない非居住者や外国法人が、日本で納税義務があるにも関わらず、納税管理人の選任義務を履行していない場合が多く見受けられていました。

これらの納税者に税務当局は接触できなかったことから、これまでの「納税管理人」制度に加えて、令和3年度税制改正で「特定納税管理人」制度が新たに創設されました。

納税者が納税管理人を選任せず、税務当局が納税者に対して納税管理人の指定及び届出を要請しても届出がないときには、納税地を所轄する税務署長等が、国内に住居所等を有する納税者と関係がある居住者の中から一定の者(国内便宜者)を「特定納税管理人」に指定します(国税通則法第117条第5項)。

この特定納税管理人に係る規定は、令和4年1月1日から施行されています。

≪参考≫特定納税管理人制度の概要(国税庁HP)

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