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【第3回】税金問題の国際化 国際間の資産移転に監視強化

各国の課税当局が協力して、富裕層情報を交換している話を前回紹介したが、国内においては、とにかくさまざまな情報を課税当局は集め、データベースに蓄積している。どんな方法で富裕層情報を集めているのか、いくつか紹介する。

アレもコレも!課税当局の情報収集が進む

国を跨ぐ財産移動や保有情報を把握するため、法定調書制度が年々拡充されている。現在、国外財産の把握等に活用されている調書は「国外財産調書」、「国外送金等調書」及び「国外証券移管等調書」が挙げられる。

国外財産の把握目的に調書制度

国外財産調書制度は、富裕層が国外に保有する財産を把握するために、平成24年度税制改正で創設された。この制度下では、居住者がその年の12月31日において、その価額の合計額が5千万円を超える国外財産を有する場合に、その財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した調書(「国外財産調書」)を、その年の翌年の3月15日までに所轄税務署に提出しなければならない。

この国外財産調書は、納税者が自主的に申告するものであるため、実効性を上げる観点から加算税の軽減・加重措置といったインセンティブ措置が設けられている。国外財産調書に国外財産を記載していれば、その記載がある財産について所得税や相続税の申告漏れがあっても加算税が5%減額され、逆に調書を提出しなかったり、記載に不備があった場合には、国外財産に係る所得税の申告漏れがあった際に加算税が5%上乗せされる。さらに、平成27年1月以降は、故意による調書の不提出や虚偽記載の場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金だ。

早速、課税当局が不提出の法人にメスを入れたが、その記事が平成27年3月28日の毎日新聞(朝刊)に、「国外財産申告ぜず 「調書不提出」で加算税 東京国税・初適用インサーダーで起訴前社長」との見出しで掲載されていた。

 

26年分の提出は8千件超える

平成25年分、26年分の国外財産調書の提出状況については、国税庁から発表されている。2年目となる平成26年分は、提出件数は前年比47%増の8,184件となり総財産額は3兆1,150億円で23%増となった。

また、平成26年分について、財産の種類別の金額は次の通りであり、有価証券が最も多く、全体の54.1%を占めています。

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