5月24日の公認会計士試験は予定通り実施 公認会計士修了考査の合格発表は延長
公認会計士試験を担当する金融庁の公認会計士・監査審査会は4月1日、同会ホームページで令和2年公認会計士試験第Ⅱ回短答式試験を予定通り実施する旨発表しました。本試験は5月24日と目前に迫っており、新型コロナウイルス感染症の影響により延期の可能性があるのかどうか受験生がヤキモキする中での今回の発表となりました。

(関連記事)公認会計士試験短答式が延期に! 延期されていた修了考査合格発表なされるも合格率は異例の低さに(2020/4/18)
公認会計士試験は「感染に気を付けながら」実施へ
公認会計士試験が予定通り実施されるとなると気になるのは、試験会場で罹患してしまわないかということ。一般的に以下3つの「密」が感染拡大させる条件であるとされており、試験会場ともなれば、会話や発声といった密接場面を除き該当する可能性があります。
- ・換気の悪い「密閉空間」
- ・多数が集まる「密集場所」
- ・間近で会話や発声をする「密接場面」
この条件については同会でも懸念しており、「試験の実施に当たっては、受験者の皆様の健康を保持することに加え、感染の拡大を防止するため、感染リスクの高い3つの「密」を可能な限り回避できるよう、必要な対策を講じる予定です。」としています。
そのため、受験者も
- ・マスクの着用
- ・試験前後の私語を極力控える
などの必要な協力をお願いするとしており、先日発表された国から各世帯に2つずつ配られるマスクがここで生きてきそうです。
しかし、試験は長机の端と端、もしくは数席置いて受験者が座るような形式が多く、教室内での「密集」をどう回避するかはこれからの発表を待つ必要がありそうです。
なお、感染を避けるために、感染症が拡大していない試験地に受験地を変え受験することが可能かどうかについては発表されていませんが、一般的に出願後の受験地の変更は認められていません。
司法試験なども実施予定 東日本大震災時も通常実施
他試験を見ると、5月13日~17日の内4日間にかけて実施予定の司法試験、7月5日に実施予定の司法書士試験、8月18日~20日に実施予定の税理士試験なども現段階で延期を発表している試験はありません。
試験会場となる大学などでは、現段階では日程を繰り下げ5月上旬頃の授業開始を予定しているところが多いようです。
過去の例を見ると、平成23年の東日本大震災の際にも公認会計士試験は予定通り実施されています。ただし、被災地の受験者に対しては個別の相談に応じるというかたちをとりました。今回感染し隔離された受験者への救済措置があるかどうかは、現時点では分かりません。
修了考査の合格発表は突然の延期
その一方で、日本公認会計士協会が管轄する、公認会計士試験合格者が監査法人等に勤務しながら受ける「修了考査」については、4月3日に合格発表の予定が突然4月17日に延期されました。
発表日延期が知らされたのは、発表日のなんと前日。今回の考査結果を待っていた受験生にとっては「青天の霹靂」といえるでしょう。なぜ延期されたかの理由は一切開示されていないため、事務的な問題か、新型コロナウイルスの影響か、足下の経済状態の影響かなど、憶測を呼んでいます。
公認会計士試験まで残り1カ月ちょっと差し迫った時期ではありますが、今後の情勢の変化によっては試験の実施方法についても変更があるかもしれず、公式ホームページなどでの告知をよく注視しておく必要がありそうです。
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公認会計士試験短答式が延期に! 延期されていた修了考査合格発表なされるも合格率は異例の低さに
*KaikeiZineでは今後も公認会計士試験の情報を掲載していきます。
公認会計士・監査審査会:新型コロナウイルス感染拡大に伴う令和2年公認会計士試験第II回短答式試験の実施に係るお知らせ(令和2年4月1日)
https://www.fsa.go.jp/cpaaob/kouninkaikeishi-shiken/20200401.html
日本公認会計士協会:令和元年度修了考査合格発表について
https://jicpa.or.jp/syuryokousa/
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著者: ハイタアジサイ
税務ライター
早稲田大学第一文学部卒。税務専門紙記者や会計事務所での広報などに就業しつつ、仕事の傍ら千葉商科大学会計大学院進学。公認会計士短答式試験に合格するも、パートナーの海外赴任により論文試験は一年で放棄、渡独。ドイツ生活を5年間堪能後帰国。2児の母。