税理士試験が一段落し、「次は相続税を受けようかな」と考えている人もいるでしょう。中には「これから実務で関わる」という会計事務所の職員の方もいるかもしれません。今回は、そんな初心者向けに、相続税の計算の大まかな流れをお伝えします。

■相続税は「自分が相続した財産」だけで計算できない

最初に押さえたいのが「相続税の計算は所得税ほどシンプルではない」点です。

所得税は個人が1年間に稼得した所得だけを見て計算します。「所得を10種類に分ける」「総合課税と分離課税がある」といった点は面倒ですが、自分が稼いだお金だけを考えればいいので気が楽です。自分の預金通帳やカード、請求書や年末の控除証明書をかき集めれば計算できます。

一方、相続税は「自分が取得した財産だけを見ればいい」わけではありません。他の相続人や受遺者が相続した財産も確認します。生前贈与も考慮しなくてはなりません。