「給料を年間いくらに抑えると、税金が安く済む?」これはアルバイトやパートで働いている場合、必ず出る話題ですよね。それに関して、きっちり解説します。
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アルバイトやパートの場合、所得税は引かれるのでしょうか?
結論からいうと、収入が一定額を超えてしまうと、所得税が引かれることになります。
学生さんや既婚者さんの場合ですと、自分の稼いだ年収によっては、自分の親や配偶者の税金の金額が変わってしまうことになるので、十分注意が必要です。
そこで本記事では、アルバイトやパートで働いている方が、具体的にどのようなケースの場合に所得税が引かれるのかと、それに関係する3つの壁について解説します。
最近アルバイトを始めたという学生さんや、税金のことは難しくてよくわからないというパートの方は、ぜひこの記事を読んで、自分が所得税が引かれるケースに当てはまるかどうかを確認してみてください。
アルバイト・パートでも年間103万円以上の給与所得があれば所得税が引かれる!
まず、所得税は収入額の全額に対してかかるわけではなく、そこから控除金額を差し引いた金額に対して課税されます。
具体的には、「収入ー控除=所得」で求められた所得金額に対して、税金がかかることになります。
上記の式の「控除」に該当する金額は、主に2種類あります。
1つ目は、所得の合計金額が2,400万円以下の人に採用される「基礎控除額」で、控除金額は「48万円」です。
2つ目は、給与所得の金額によって変わる「給与所得控除」で、この控除額の最低金額は「55万円」になります。
そのため、「基礎控除48万円+給与所得控除55万円=103万円」となり、103万円を超えた分だけ所得税がかかることになるのです。
たとえば収入が104万円だったとします。
それを具体的に上記の式に当てはめてみると、「104万円(収入)ー103万円(控除)=1万円(所得)」となり、その1万円に対し、所得税がかかるというわけです。
ちなみに所得税が引かれるか、引かれないかの算定期間は、その年の1月~12月になります。会社の決算期や年度のように4月~翌年3月の区切りではないので、注意が必要です。
月いくらから引かれる?月収の場合は88,000円以上の場合
1か月のお給料が88,000円以上になった場合も、所得税が引かれることになります。
前章では、年収が103万円を超えると所得税がかかってしまうとお伝えしましたが、その金額を月収に直すと「103万円÷12か月=約86,000円」となります。
ではなぜ86,000円ではなく88,000円なのかというと、源泉徴収税額表で88,000円以上89,000円未満の間の額から税金が発生すると、決まっているからです。
ただし、毎月の源泉徴収での支払いはあくまでも仮払い金額となるため、毎年12月の年末調整で最終的に税金額の調整がされることになります。
また、会社に「扶養控除等申請書」を提出した人は、源泉徴収によって会社が税金の計算をしてくれます。
そのため、88,000円以上稼いでいれば自動的に所得税が引かれることになります。
もし「扶養控除等申請書」を提出していない場合は、88,000円未満の場合でも所得税が引かれることになるため、注意が必要です。
短期バイトやかけもちバイトの場合は自分で申告しなければならない
特定の企業に所属していれば、会社が年末調整を行い、払いすぎた税金が返ってくることになります。しかし、短期のバイトの場合や、2か所以上かけもちでバイトをしている場合には、自分で確定申告をする必要が出てきます。
もし、年収が103万円以下の場合でも源泉徴収されてしまっている場合には、確定申告をすれば、多めに差し引かれた所得税が返ってきます。
年収103万円以下であれば、アルバイトでも所得税が戻ってくる?
年収が103万円以下の方で、もし源泉徴収によって会社から所得税を引かれているならば、所得税を支払う必要はありません。
そのため、アルバイト先で年末調整を行ってもらうか、自分で翌年に確定申告を行えば、納めた税金分の金額は還付を受けることができます。
年末調整を受けられるケースは、先ほどの「扶養控除等申告書」をアルバイト先に提出しているか否かがポイントとなります。
提出している場合
「扶養控除等申告書」を提出しているのであれば、アルバイト先が年末調整を行ってくれるため、多く払いすぎた税金分は自動的に還付されます。
還付のタイミングとしては、12月の給与か翌年最初の給与と合わせて振り込まれます。
提出していない場合
「扶養控除等申告書」を提出していない場合は、年収が103万円以下でも源泉徴収で所得税が引かれることになります。
しかし、アルバイト先は年末調整を行ってくれないため、自分で確定申告をしなければ、源泉徴収で自動的に引かれた税金は戻ってきません。
確定申告をするためには、支払った所得税金額を証明するためにアルバイト先から発行される「源泉徴収票」が必要になりますので、受け取った段階できちんと保管をしておきましょう。