利用者側の処理はどうなる?

では、旅行者側の処理はどうなるのでしょうか。

旅行者が、会社の出張や、事業の旅費として利用した場合、その旅費が全額課税仕入となります。

割引額は「雑収入」などの科目とし、不課税売上げとなります。

さきほどの例で言えば、次のようになります。

<旅行者の仕訳例(税抜処理)>

◆旅行/宿泊時(出張)

借方 貸方
旅費交通費 10,000
(消費税課税)
現金等 6,600
仮払消費税 1,000 雑収入 4,400
(消費税不課税)

旅費と割引について、両建てをするわけです。

 

クーポン券を使って、業務に必要なものを買ったときは、購入費が全額課税仕入れとなります。

クーポン券は「雑収入」などの科目とし、不課税売上げとなります。

◆クーポン券利用時(業務関連のおみやげ購入時)

借方 貸方
交際費 3,000
(消費税課税)
現金等 300
仮払消費税 300 雑収入 3,000
(消費税不課税)

また、法人が、受け取ったクーポンを従業員に渡して、その従業員が事業に関係ないものに使った場合には、給与手当となります。

なお、旅行者が個人で、プライベートな旅行に全国旅行支援を利用した場合、仕訳はありません。
個人の場合、一時所得になりえますが、

一時所得の金額 = 総収入金額 ― 収入を得るために支出した金額 ―特別控除額(最高50万円)

です。

そのため、その他の一時所得の金額(ふるさと納税の返礼品、競馬や競輪の払戻金等)との合計額が50万円を超えない限り、旅行者個人の課税所得はありません。

おわりに。賛否両論あるけれど、私は、せっかくなので旅行したいです。

全国旅行支援については、これまでのGoToトラベルなどと同様、賛否両論あります。

「そもそも生活に余裕がなければ旅行しない」「旅行業や飲食業だけが恩恵を受けていて、他の事業との差があるのではないか」などです。

どれが正解なのか、正義なのか…個々の考えがあるでしょう。

ただ、私はせっかくなので、この機会を利用し、自分はお得に旅行し、旅行に関わる様々なお店や鉄道にお金が回るといいなと思います。

しかし1つ問題があって…、私はワクチンの副反応が結構ひどかったので、3回目を受けていません。

今回の全国旅行支援は、ワクチン3回接種か、陰性証明書が必要です。

陰性証明書は、旅行の直前に取る必要がありそうなので、日程調整をして、副反応が出ても良い日に3回目を打ちに行く予定です。

副反応が軽いといいなぁ…。

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