扶養家族の変更忘れ(結婚、就職など)
扶養親族とは、本人と生計を一にし、合計所得金額が48万円以下の人をいいます。
控除額は年齢等により異なります。
これまで扶養親族だった子どもが、就職したり結婚したりして、扶養親族ではなくなったにもかかわらずそのまま提出してしまうケースがあります。
会社から配布される扶養控除等申告書に、すでに前年までの情報が記入されている場合に多いようです。
変更があった場合には、会社に申し出るのを忘れないようにしましょう。
寡婦、ひとり親の変更忘れ(結婚、離婚、死別)
寡婦とは、夫と離婚後または死別後結婚をしておらず、合計所得金額が500万円以下などに該当する人、
ひとり親とは、独身で、生計を一にする子がいて、合計所得金額が500万円以下などに該当する人をいいます。
それぞれ、寡婦控除なら27万円、ひとり親控除なら35万円を受けられます。(併用不可)
ご自身が離婚等をして寡婦・ひとり親になった、逆に、結婚をして寡婦・ひとり親ではなくなった、等の場合は扶養控除等申告書のチェック欄を間違えないようにしましょう。
会社からは聞きにくい場合もあるので、ご自身で忘れないようにしてください。
前職の源泉徴収票が間に合わない
中途入社の人で、その年に、前に別のところで働いていた場合、前職を退職するときにもらった源泉徴収票が必要となります。
職場によっては退職時に源泉徴収票をもらい忘れている場合もあるでしょうし、紛失している場合もあるでしょう。
前職の源泉徴収票がないと、その年の所得税の計算ができないので年末調整ができません。
ない場合には、前職に問い合わせて、源泉徴収票をもらってください。
前職に問い合わせるのは憂鬱……という人もいるかもしれませんが、連絡が遅くなると、源泉徴収票をもらうのも遅くなり、現職の提出期限に間に合わなくなってしまうかもしれません。
退職者の源泉徴収票を発行するのは、たいした手間ではありません。
遠慮せず、早めにもらうようにしましょう。
年末調整なんてまだ先のことと思っていても、あっという間に提出期限がやってきます。
会社は、従業員の年末調整をし、所得税の還付や徴収を行い、来年の1月末までには税務署と従業員の住む各市区町村に、給与支払報告をしなくてはいけません。
年末調整がスムーズに行えるよう、今一度、確認しておきましょう。
連載は今回で最後になります。
2017年4月より、これまで78回、連載させていただきました。
税金の話や税理士受験生、働くママとして、など様々なことを自由に書かせていただきました。
皆様のお役に立てましたら幸いです。
ありがとうございました!
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