AIをフルに活用したソルビス税理士法人の税務顧問サービス

AIによる業務効率化はたくさんの活用事例がありますが、実際に会計事務所でどのように活用されているのかが気になる方も多いと思います。
当事務所が提供しているサービス「みんなの税務顧問」を例に、AIを活用して業務を運用している事例を具体的にご紹介させていただきます。

小規模事業者に最適の超低価格サービス「みんなの税務顧問」

「みんなの税務顧問は、年商1,000万円以下の小規模事業者に限定して、月額顧問料980円、記帳代行料や申告料込みでも年間10万円程度という超低価格の税務顧問サービスになります。
最新のAIを駆使し、内部の業務を最大限まで効率化したことで、従来の税理士業界ではありえなかった金額でのサービス提供が実現しました。内部業務のイメージは下図の通りです。

お客さまが行うアクションは黒矢印の部分で、Chatworkによるお問い合せと、GoogleDriveへの資料の保存のみです。
一方で、会計事務所側で行っている業務が点線の枠で囲っている部分になります。
黄色と緑色の2色がありますが、緑色がAIなどによって自動化している部分になります。
現状はまだ一部手作業が残っていますが、将来的には税理士による確認業務を除き、完全自動化を目指したいと考えています。

実は時間がかかっている資料収集~リネーム・保存の業務フローを完全自動化

「みんなの税務顧問」のAIを用いた業務フローのうち、お客さまの資料保存からリマインド、リネーム&保存についてもふれます。イメージは下図の通りです。

お客さまへの資料収集のご依頼、保存された資料のリネーム・自動分類、不足資料のリマインドはAIに対応させています(オレンジ色の矢印がAIが対応している部分です)。
最初にどの資料を依頼するかという指定と指示のみをすれば、あとはすべてAIが対応してくれる仕組みです。
新規で顧問契約をした際の定款や謄本、税務署へ届出した書類などを収集する際にも使用できますし、これからの確定申告シーズンにおいても、基礎資料の収集で活躍する仕組みだと思います。

確定申告においてもっとも時間や工数のかかる作業は、決算書や申告書の作成そのものではなくて、基礎資料の収集や確認、リマインドなどの作業だと思います。
確定申告シーズンは業務が集中してスタッフも疲弊すると思いますが、資料さえそろっていれば、申告書の作成はそこまで時間はかからないのではないでしょうか。
資料収集に割く時間を自動化できれば、繁忙期の負担もかなり軽減できると考えています。

上記システムの一連の動作は、すべてGoogle Workspaceで行っています。
具体的には、資料はGoogleDriveに保存していただき、保存された資料はGeminiが内容をチェックしてファイル名を変更(リネーム)。資料の提供状況などはスプレッドシートで管理といった形です。
それぞれのGoogleサービスは、Apps Scriptで管理しています。

今回は一部の事例をご紹介をさせていただきましたが、ほかにもさまざまな場面で、従来の会計事務所が人力で行ってきた業務を自動化することが可能です。

「効率化」のその先へ。AIで生まれた時間をどこに投資すべきか

会計業界でAI導入が進むなか、多くの事務所が業務の効率化に成功し始めています。
しかし、真に重要なのは「効率化した後に、浮いた時間をどこへ投下するか」という戦略的な意思決定です。
AIはあくまで手段であり、目的ではありません。
AIによって捻出された貴重なリソースをどのように活用し、どのように事務所の付加価値を最大化すべきか。
お客さまへの付加価値向上とスタッフの教育という観点から2点お伝えします。

AIには真似できない「傾聴」と「先回り提案」

経営者が税理士に求めているのは、計算の正確さだけではありません。
その先にある「この人に任せておけば大丈夫だ」という圧倒的な安心感です。

AIが数字をまとめる時間を代行してくれるからこそ、私たちは経営者との対話に時間を割けます。
数字の背景にある不安、将来の展望、言葉にならない悩みを聞き出す「傾聴」の時間は、AIには代替できないサービスです。
リソースに余裕ができれば、お客さまから聞かれる前に「今月の着地予測と、打つべき対策」を提示できます。
リアルタイムに近いスピードでアドバイスを行うことができれば、経営者は常に最新の羅針盤を手にでき、それが深い信頼関係(ロイヤリティ)へとつながります。

スタッフ教育と働きがいの創出

単純作業ばかりの職場環境では、優秀なスタッフほど疲弊し、業界を去ってしまいます。
AI活用は、スタッフのキャリアを「作業員」から「コンサルタント」へと引き上げるチャンスです。

AIの活用により単純な事務作業から解放された時間は、相続対策・事業承継・組織再編といったより難易度の高い専門知識のインプットに充てることができます。
スタッフ自身が「自分の市場価値が高まっている」と実感できることは、最大のモチベーションになります。

また残業が減り、心にゆとりが生まれることで、スタッフはよりていねいなお客さま対応ができるようになります。
この余裕が、結果として前述のお客さまの安心感をさらに高めるという正のループを生み出します。

AIは「脅威」ではなく「最強のパートナー」である

最近のAIの進化は本当に目を見張るものがあります。
毎日のようにアップデートが行われ、どんどん新しいことができるようになっています。

税理士の業務自体は、AIによって代替される部分がかなり多いとも考えています。
その意味では、税理士の業務が奪われていくというのはある意味事実かもしれません。
ただ、税理士の「業務」がなくなったとしても、税理士の「仕事」がなくなるわけではないと思っています。

どれだけAIに代替されたとしても、やはり税理士という専門家の意見を求めたい、専門家がついているという安心感を求める方々は、世の中に多くいらっしゃいます。
特に日本人は資格や学歴といった肩書を重視する傾向があります。
ですから、「税理士が判断を後押ししている」「AIの判断が正しいと税理士が保証している」といった安心感を与える存在に、知識を売るのではなく安心感を売る存在になっていくのではないかと個人的には考えています。

この先のAI時代においては、AIにどう対抗していくかではなく、AIをどう使いこなしていくかを考えることが重要です。
まずは小さな実務からAIを取り入れてみてください。
その一歩が、この先のAI時代における貴所の競争力を劇的に高めることにつながるはずです。

ソルビス税理士法人
https://www.solvis-tax.com/

●所在地
〒530-0001
大阪市北区梅田1丁目3番1-400号 大阪駅前第1ビル400号

●みんなの税務顧問
https://minzei-tax.jp/

【あわせて読みたい】
・freeeとのコラボによる、ENJOINT税理士法人の記事がこちら
・M&N辰巳税理士法人の記事がこちら
・Evergrowの記事がこちら↓
「Evergrowという士業のチーム 士業の自由な働き方」

第1回:好きな場所で、好きな人と、好きな仕事をする
第2回:独立開業1年目のリアル
第3回:独立から3年 ── 顧客ゼロから全国70社へ
最終回:Evergrowという組織のかたち
・LOOK UP ACCOUNTINGの記事がこちら

KaikeiZineは会計プロフェッショナルの活躍を応援するキャリアマガジンです。インタビューや取材を通じての情報発信をご希望の方はお問合せください。
取材・掲載は無料です。
お問合せはこちら