DX認定事業者になるには

それでは、DX認定を受けるにはどうしたらよいでしょうか。

DX認定を受けるためのレベル感や申請のポイントを見ていきます。

DX認定制度に関する4つのレベル

DXの取組状況について、経済産業省では次の4つのレベルを示しています。

・DX-Ready以前レベル

DXを推進するためのビジョン策定、戦略・体制等の整備にこれから取り組む事業者。

・DX-Readyレベル

DXを推進するためのビジョン策定、戦略・体制の整備等を既に行っている事業者。

さらに、デジタル変革を進め、デジタルガバナンスを向上する準備が整っている状態。

DX認定は、このDX-Readyレベルの事業者を認定するものです。

・DX-Emergingレベル

DX認定事業者のうち、ステークホルダーへの情報開示を積極的に行っており、優れた事例になるような事業者。

・DX-Excellentレベル

DX-Emergingレベルに加えて、既に優れたデジタル活用実績が現れている事業者。

上記のように、DX認定制度は、DX-Readyレベルにある事業者を認定します。

そのため、DX推進による実績がまだあがっていなくても、DXを推進する準備ができている企業であれば認定を受けられます。

申請のポイント

DX認定の申請にあたって、「DX推進ポータル」から認定申請書を提出します。

それをもとに審査が行われて認定されます。

認定申請書は、次のような項目で構成されています。

(1) 企業経営の方向性及び情報処理技術の活用の方向性の決定

(2) 企業経営及び情報処理技術の活用の具体的な方策(戦略)の決定

(3) 戦略の達成状況に係る指標の決定

(4) 実務執行総括責任者による効果的な戦略の推進等を図るために必要な情報発信

(5) 実務執行総括責任者が主導的な役割を果たすことによる、事業者が利用する情報処理システムにおける課題の把握

(6) サイバーセキュリティに関する対策の的確な策定及び実施

このうち(1)から(4)については、自社のウェブサイトなどで公表や情報発信していることが求められます。

これらの項目にあるように、自社のDX推進の方針や体制、具体的な施策などが定まっていることが求められます。

裏を返すと、DX推進をまだ実行する前でも、方針などを定めて公表していれば認定を受けられると言えます。

認定申請書に求められる項目を定めるために、経済産業省が公開している資料では、次のようなプロセス例が示されています。

1. 経営ビジョンを策定する

現在のビジネス状況や経営環境について整理し、デジタル技術の台頭による影響を分析し、自社の経営の方向性を定めます。

2. DX戦略を策定する

経営ビジョンに基づくビジネスモデルを実現するための戦略を定めます。

DX戦略には、DXを推進するための体制・組織、人材の育成・確保案、ITシステム・デジタル技術活用環境の整備に向けた方策などを含めることが求められます。

3. DX戦略の達成度を測る指標を決定する

DX戦略の推進管理体制を策定し、達成状況に係るKPIを定めます。

4. 経営者によるDX戦略の推進状況などの対外発信を行う

自社のウェブサイトなどでDX推進の状況などについて情報発信を行います。

5. 「DX推進指標」等による自己分析を行い課題把握する

DX推進指標は、DXの推進に向けた現状や課題について自己診断できるもので、経済産業省が公開しています。

それを用いて自社の評価を行い、DX推進にあたっての課題を把握します。

6. サイバーセキュリティ対策を推進する

サイバーセキュリティに関する監査を実施します。

中小企業の場合、SECURITY ACTION制度に基づく二つ星の自己宣言で代替できるとされています。

まとめ

DX認定制度の概要や申請のポイントなどについてご説明しました。

執筆時点では、認定支援事業者は大企業が目立ちますが、中小企業や少人数の事業者でも認定を受けているところもあります。

DX推進を考えている企業において、DXを推進する機会にしていただけると幸いです。

※この記事の内容は、執筆時(2023年1月30日)の情報をもとにしています。今後、制度内容などが変わる可能性があります。


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