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“税界”の裏話 28事務年度相続税調査 件数も非違も重加算税も増加

国税庁は11月14日、平成28事務年度(平成28年7月から同29年6月末)の相続税の調査状況を公表した。相続税は、2015年度税制改正で大幅な増税となり、実地調査件数も増加。28事務年度の実地調査件数は前事務年度比101.5%増の1万2116件で、このうち82%で非違が指摘されている。注目されるのが、税のペナルティである重加算税件数も増加していることだ。

国税庁の事務年度は、7月から翌年6月までとなっており、実地調査などの実績については事務年度で公表される。平成28事務年度であれば、平成28年7月から同29年6月までとなるのだが、相続税の実地調査としては、平成26年に発生した相続を中心に行われたことになる。つまり、増税前年の申告書の調査であり、増税の影響がどれだけ調査に影響してくるかは、平成29事務年度実績からになる。

とはいうものの、実地調査の件数は1万2116件で、同27事務年度の1万1935件よりも増加している。このうち、申告漏れ等の非違があった件数は9930件でこちらも前事務年度の9761件より上回った。非違割合も82%となっており、相続税は実地調査が行われたらほぼ〝タダでは済まない″状況だ。

「仮装及び隠蔽」などの、悪質な税逃れをしたときに賦課される税のペナルティである重加算税件数も増加し、平成28事務年度は1300件となっており、前事務年度より50件多くなっている。賦課割合でみてみると13.1%と増加しており、重加算税の賦課対象となった金額も540億円とこちらも増加傾向だ。

申告漏れ財産の主な内容は、家屋と現金・預金がほぼ同じでトップ。次いで有価証券や土地となる。土地に関しては評価でほとんど相続税額が求められるため、申告漏れが指摘されることはないが、現金・預金は、「名義預金」などもあることから、調査で狙われやすい財産と言える。

相続税調査では、相続人からどう情報を引き出すかがポイントになるが、国税OB税理士によれば、「いかに雑談から重要情報を聞き出すかが熟練のワザ」と言う。よく聞く話だが、被相続人の趣味を聞き出したところ、申告されていない著名人の絵画や骨董品などがあったといった具合だ。ところが、最近の若手調査官は、自然に話を聞くのが苦手であったり、話を聞きながらメモを取る人もいるという。「メモなんか取られたら相手は警戒する」とベテラン調査官は苦言を呈す。それどころか、「本当に雑談だけして帰ってくる者もいる」と言う。調査実績は上がっているものの、調査の現場では、税務署サイドも難しい問題が多いようだ。


 
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著者: 宮口貴志

KaikeiZine編集長

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。現在は租税研究会の事務局長であり、会計事務所ウオッチャーとしても活動。
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