JSOX作業工数を大きく削減できるIT化対応

JSOXは毎年膨大な作業を要しますので、作業工数を削減するための施策は費用削減の観点から大切です。

JSOX作業における①母集団の特定、②統制エラーの発生、③把握していなかった業務フロー変更等は特にシステム化対応で大きな効率化を期待できます。

JSOXにおける統制テストでは対象となる統制の母集団の特定という作業があります。「評価対象期間に発生した全取引」を特定し、統制テストでは母集団から一定のサンプルを抽出することで統制が適切に運用されているかを確認します。実務上、母集団の特定は難しい作業となります。テスト対象の統制に対して、年間で発生した全取引を特定することが難しく、余計な取引がたくさん含まれている、一部の取引が含まれていない等により、どのように母集団を特定するかはJSOX導入において苦労するポイントの一つとなっています。

ここでワークフローのシステム化を行うことによって母集団特定は容易となります。稟議承認の統制を検証する場合、マニュアル統制においては各部に稟議の一覧が保管されている、データとして管理されていない等、母集団特定に難航するケースが多々発生しますが、稟議自体が全社共通のワークフロー上で実施されていれば容易に母集団を特定することが可能となります。

また、統制がシステム的に担保されると、システム的な制御を加えることで統制エラーの発生を0とすることができます。例えば担当者が作成した見積もりをチームリーダーが承認、その後部長が承認するというルールを定めている会社があったとします。JSOXのテストを実施した結果、「部長承認のない見積書をクライアントに提出していた」のようなエラーは珍しくありません。ワークフローがIT化されることでシステム上の部長承認が得られないと「見積書がシステムから出力できない」のようなシステム設計を行うことで、上述のエラーの発生は0となります。

通常システム変更は社内でも大きなプロジェクトとなるため、システム改修がJSOX担当者の知らないところ実施され、いつの間にか業務フローが変更されていたというような事象の発生は可能性としてかなり低く抑えられます。

まとめ

今回はJSOX導入とIT化対応の関係について記載しました。JSOXへの対応コストは安価ではありません。より安価で効率的な仕組みの下、JSOX対応を完了させるという視点でシステム化は非常に有効な手段となります。

近年はクラウドサービスのレベルアップ等により、低価格のERPが誕生しています。スタートアップ企業等においてもJSOX導入に合わせたワークフローのシステム化をご検討頂くことが良いと思います。


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