「マーケットの縮小」現実と向き合う方法

以前のキャリア論で「やりたいこと」「好きなこと」「得意なこと」の話をしました。

(「第5回-キャリア論/やりたいことが見つからない君へ」をご参照ください)

「会計士や税理士の試験勉強を続けようかどうしようか?」と迷っている受験生の方、或いは「現在、監査法人に勤めているけどこの先どうしようか?」と悩んでいる会計士の方、たくさんいらっしゃると思います。

そういった方は、どうしてこの勉強を始めたのか?どうなりたかったのか?をもう一度原点に立ち戻って考えていただきたいのです。

おそらく「プロフェッショナルな仕事がしたい」「独立したい」「CFOになりたい」こういったキャリアをイメージして会計士・税理士を目指した方が大半なのではないでしょうか?

私自身の話をしますと、会計士という職業を選んで本当に良かったと思っていますし、会計事務所の経営というものが自分の天職だと思っています。

たくさんお客さんと出会えますし、自分よりも知識のある会計士や税理士とともに仕事ができる、若手の育成や組織開発ができる、新規顧客獲得につなげるための集客戦略を考える、など、自分が成長することばかり出来るのが、私の仕事だと感じてします。

やりたいことは何か?なりたい自分はどんな自分か?をよく考えてみれば「マーケットの縮小」という現実にもしっかり向き合えるはずだと思います。

「独立開業したい」キャリア達はどこへ行ったのか…

今回はメディアの記事から会計士・税理士の将来性について考えてみましたが、私が憂慮しているのは「独立したい」という野望を持った方々の存在が見えてこないことです。(先に紹介したデータでは、監査法人から退職した会計士は43%が事業会社へ、30%がコンサルティング会社や会計事務所に転職をしています。)

会計士や税理士を目指す理由として「数字で物事を考えることが好きだから」「企業経営のサポートをしたいから」「正しい会計処理や税務を通じて社会の役に立てるから」といったことは多く耳にします。私も同じ気持ちですし、このような前向きな気持ちを持った方が当グループの仲間に加わってくれれば…と思います。

ですが私はそれだけではないとも考えます。実は皆さん大きな声で言わないものの「独立できるから」「会社に縛られない“独立”という働き方を選びたいから」という気持ちを持っているのではないでしょうか?

コロナ禍で景気の先行きが見通せませんが、景気が悪化して企業の採用意欲が抑制される可能性は十分あると思います。そんな時、採用・雇用に縛られない「独立」というキャリアこそ、生き残ることができるのではないでしょうか。

特に受験者数が減っている税理士は、ライバルも減っているということです。例えマーケットが縮小したとしてもその分ライバルが減っていれば、独立し成功する可能性は大いにあります。

前回のコラム『将来独立したい会計士・税理士に伝える「プロフェショナルの要件」』では、独立して成功するための心構えのようなものを紹介しました。安易な転職は、また更に安易な転職を産みます。マーケットや将来性といった外部要因は自分自身で変えることはできません。ただ、「考え方」「行動」は自分で変えることができるものです。キャリアについて考える時の選択肢に「独立」を入れることで、皆さんの視野がより広がるのではないでしょうか。

(関連記事)

会計士 中村亨の「経営の羅針盤」

第1回-コロナ不況にどう立ち向かうか?

第2回-コロナ終息後の日本企業の雇用

第3回-大廃業時代のススメ「事業や戦略の再構築①」

第4回-大廃業時代のススメ「事業や戦略の再構築②」

第5回-キャリア論/やりたいことが見つからない君へ

第6回-コロナ禍で改めて問われる「ディフェンス力」の重要性 ~「景気後退期」や「危機下」こそ、財務経理機能をフル回転させよう~

第7回-キャリア論/独立したい会計士・税理士に伝える「プロフェッショナルの要件」

 


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