DXが戦略構築のトリガーに
3つ目のテーマは、「DX」。
DXというキーワードは、コロナによって脚光を浴びたかに思われていますが、それはタイミングが一致しただけであり、実は数年前から注目されていたキーワードです。
現に平成30年12月には経済産業省から「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」というレポートが発表されています。
このガイドラインでは、DXを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義しています。
つまりこういうことでしょう。
IT化というのは、それ自体が目的でした。業務効率を高めるためにデジタル化を進めましょう、コスト削減のためにクラウドを利用しましょう、デジタルの導入自体が目的だったのですね。
DXというのはデジタルの活用を「手段」とし、ビジネスのあらゆるものを変革しましょう、競争に勝っていきましょう(GDPを上げていきましょう)ということです。
(この点でいうと、日本政府のDX化の遅れには心配になりますね。脱FAX・脱ハンコに象徴されるようにまだまだ「デジタル化」の道半ばです…。)
DXとは戦略を見直すこと
結局、DXというキーワード、我々中小企業の経営者にとってみれば何だと解釈すればよいのでしょうか?
IT化を促進し、従業員の生産性を向上させることで全体的な組織力を高める、といった単なる業務改善ではDXは実現しません。業務改善を進める上で、組織を変革し、新しい事業モデルへ転換していく、いわば経営戦略の「再構築」が重要です。
日本のDX成功例を見てみましょう。例えば、神奈川県にある老舗旅館「元湯 陣屋」さん。大正7年に創業するも、2008年には借金10億円、売上に対して借入金が3倍以上あるという、まさに廃業寸前にまで追い込まれていました。
予約システムもなく、予約管理は「紙のノート」、調理場の原価も人件費も売上も全て「紙のノート」で管理する超アナログの現場を、予約から接客、調理、お風呂の温度管理といった業務まで一つひとつをIT化によって連携。お客様の情報を全て見える化し、効率化によって余裕ができた時間をお客様との会話や接点に使い顧客満足度を上げる。
デジタル導入からその活用、組織の変革、まさにDX化を行い売上はV字回復。営業日数を減らす、つまり従業員の休日を増やすことで離職率低下にもつながりました。
DXが戦略自体を見直す良い機会になることは間違いないでしょう。
企業は何をするべきか、何に集中すべきか(何を捨てるべきか)、どう変革していくべきか、IT化によるデータ分析によってそれら戦略自体を見直すタイミングに来ているようです。
さて、2021年の潮流を私なりに3つに絞ってまとめてみました。
皆さんのビジネスやキャリアに少しでも役立てば幸いです。
本年もよろしくお願いします。
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