5.解説

国税庁質疑応答事例《カフェテリアプランによるポイントの付与を受けた場合》[2]は、企業が福利厚生の一環として、ポイント制のカフェテリアプランを導入し、従業員が付与されたポイントを利用して当該カフェテリアプランのメニューの中から選択してサービスを受ける場合、当該ポイントに係る経済的利益について、「カフェテリアプランのメニューの中には、課税扱いとなるものと非課税扱いとなるものが混在しているが、メニューの各項目は、一定の要件に該当しなければサービスを受けられないものであり、また、そのサービスを受けられないことによって金銭が支給されるものではないので、従業員に付与されるポイントについては、現に従業員がそのポイントを利用してサービスを受けたときに、その内容に応じて課税・非課税を判断するものとして差し支えない。ただし、企業の福利厚生費として課税されない経済的利益とするためには、役員・従業員にとって均等なものでなければならないことから、役員・従業員の職務上の地位や報酬額に比例してポイントが付与される場合には、カフェテリアプランの全てについて課税対象となる。また、課税されない経済的利益は企業から現物給付の形で支給されるものに限られるので、ポイントを現金に換えられるなど換金性のあるカフェテリアプランは、その全てについて課税対象となる(下線筆者)」と回答している。

しかしながら、下線部分の趣旨は、カフェテリアプランの中に、何ら要件なく金銭や商品券等の支給を受けることを選択できるとか、自由に品物を選択できるなどのメニューがある場合を想定しているのであり、そのような場合には、金銭を給付するのと同様とみられるから、現に選択したメニューにかかわらず、全ての経済的利益が課税対象となるとするものである。

原処分庁は、質疑応答事例集のいう「換金性のあるカフェテリアプラン」の意味を誤解して更正処分したものと思われ、審判所の判断は適正である。


[2] https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/gensen/03/36.htm


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